株式分析

大塚製薬(東証:4768) 借入金はむしろ控えめなようだ

TSE:4768
Source: Shutterstock

ハワード・マークスは、株価の変動を心配するよりも、『恒久的な損失の可能性こそが、私が心配するリスクであり、私が知っている実践的な投資家は皆、心配している』と語った。 事業が破綻するときには負債が絡むことが多いので、企業のリスクの高さを調べるときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 大塚商会(東証:4768)が事業で負債を使っていることはわかる。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。

借金はいつ問題になるのか?

一般的に言って、負債が現実的な問題となるのは、企業が資本調達や自らのキャッシュフローで容易に返済できない場合のみである。 最終的に、企業が法的な債務返済義務を果たせなければ、株主は何も手にすることができない。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストはかかる)事態は、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 とはいえ、最も一般的な状況は、企業が負債を合理的に管理し、自社に有利になるようにすることである。 私たちは、企業の負債の使用について考えるとき、まず現金と負債を一緒に見ます。

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大塚製薬の負債とは?

下のグラフをクリックすると詳細が見られるが、2024年3月時点の負債額は61.0億円で、前年とほぼ同じである。 しかし、貸借対照表では2,263億円の現金を保有しており、実際には2,202億円のネットキャッシュがある。

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東証:4768 2024年6月3日時点のD/Eヒストリー

大塚製薬のバランスシートの強さは?

直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が2,450億円、それ以降に返済期限が到来する負債が121億円ある。 これらの債務を相殺する現金は2,263億円、12ヶ月以内に期限の到来する債権は1,874億円である。 つまり、流動資産は負債を1,566億円上回っている。

この短期的な流動性は、大塚製薬のバランスシートがストレッチしているとは言い難く、おそらく簡単に負債を返済できることを示している。 簡潔に言えば、大塚製薬はネットキャッシュを誇っており、負債が多いとは言えない!

良いニュースは、大塚製薬が12ヶ月間でEBITを9.4%増加させたことで、債務返済に関する懸念が和らぐことだ。 負債のレベルを分析する場合、バランスシートは明らかにスタート地点である。 しかし、最終的には事業の将来的な収益性によって、大塚製薬が長期的にバランスシートを強化できるかどうかが決まる。 もしあなたが将来に注目しているのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをチェックすることができる。

最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷厳な現金だけである。 大塚製薬の貸借対照表にはネット・キャッシュがあるが、金利・税引前利益(EBIT)をフリー・キャッシュ・フローに変換する能力を見る価値はある。 過去3年間、大塚製薬はEBITの76%に相当する強力なフリーキャッシュフローを生み出してきた。 この冷え切ったキャッシュは、負債を減らしたいときに減らせることを意味する。

まとめ

負債を懸念する投資家の意見には共感するが、大塚製薬には2,202億円のネットキャッシュがあり、負債よりも流動資産の方が多いことを念頭に置くべきである。 さらに、EBITの76%をフリー・キャッシュフローに転換し、590億円の利益をもたらしている。 従って、大塚製薬の負債利用がリスキーだとは思わない。 株価は株当たり利益に連動する傾向がある。

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This article has been translated from its original English version, which you can find here.