バークシャー・ハサウェイのチャーリー・マンガーが支援する外部ファンド・マネージャー、リー・ルー氏は、『最大の投資リスクは価格の変動ではなく、資本が永久に失われるかどうかだ』と言って、それを骨抜きにしない。 事業が破綻するときには負債が絡むことが多いのだから、企業のリスクの高さを調べるときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 旭化成株式会社(東証:3407)が事業において負債を使用していることはわかる。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。
借金はいつ危険なのか?
借金はビジネスを成長させるためのツールだが、もしビジネスが貸し手に返済できないのであれば、そのビジネスは貸し手の言いなりになってしまう。 最悪の場合、債権者への支払いができなくなった企業は倒産する可能性がある。 しかし、より頻繁に発生する(しかし、それでもコストがかかる)事態は、会社がバランスシートを補強するためだけに、バーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 とはいえ、最も一般的な状況は、企業が負債を合理的に管理し、自社に有利になるようにすることである。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を一緒に検討することである。
旭化成の純負債は?
旭化成の純有利子負債は2024年6月末時点で9,711億円と、1年前の10.4億円から減少している。 ただし、現金は3,641億円あるため、ネット有利子負債は6,070億円となる。
旭化成の負債の推移
貸借対照表の最新データを拡大すると、旭化成は12カ月以内に10億2,000万円、それ以降に8,394億円の負債を抱えている。 これらの債務を相殺するために、旭化成は3,641億円の現金と5,011億円の売掛債権を保有している。 負債は現金と短期債権の合計を9957億円上回る。
これは時価総額1.40兆円に対するレバレッジの山である。 このことは、同社がバランスシートの補強を急ぐ必要がある場合、株主が大きく希薄化することを示唆している。
企業の収益に対する有利子負債を評価するには、純有利子負債をEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)で割った数値と、EBIT(利払い前・税引き前利益)を支払利息で割った数値(インタレストカバー)を用いる。 したがって、減価償却費の有無にかかわらず、利益に対する負債を考慮する。
旭化成のEBITDAに対する純有利子負債の比率は約1.7であり、有利子負債の使用はわずかであることを示唆している。 また、旭化成のEBITは支払利息の1,000倍であり、負債が孔雀の羽のように軽いことを示唆している。 旭化成のEBITが雨後の竹のように急上昇し、過去12ヶ月で68%増加したことは注目に値する。これで負債の管理も楽になるだろう。 負債についてバランスシートから最も多くを学べることは間違いない。 しかし、旭化成が今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 そこで、将来に焦点を当てるのであれば、アナリストの利益予測を示したこちらの無料レポートをご覧いただきたい。
なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 つまり、EBITがフリー・キャッシュ・フローにどれだけ裏付けられているかをチェックする価値がある。 過去3年間、旭化成のフリー・キャッシュフローはEBITの11%で、実に低い。 旭化成にとって、これほどキャッシュフローが低いと、債務を清算する能力があるのかどうか少し不安になる。
我々の見解
旭化成のインタレスト・カバレッジは、EBITの伸び率と同様、今回の分析では実にプラスであった。 一方、EBITからフリー・キャッシュ・フローへの換算を見ると、旭化成の有利子負債には少し不安が残る。 これらのデータを見る限り、旭化成の負債水準には少し慎重である。 有利子負債には、潜在的なリターンの増加というプラス面もあるが、株主は負債水準が株価をよりリスキーにする可能性があることを間違いなく考慮すべきと考える。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 こうしたリスクを見つけるのは難しい。 旭化成の1つの警告サインを 見つけた。
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This article has been translated from its original English version, which you can find here.