Stock Analysis

東急(東証:9005)は負債が多すぎる?

TSE:9005
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バークシャー・ハサウェイのチャーリー・マンガーが支援する外部ファンドマネージャー、リー・ルー氏は、『最大の投資リスクは価格の変動ではなく、資本の永久的な損失を被ることになるかどうかである』と言って、それを骨抜きにしない。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 重要なのは、東京急行電鉄(TSE:9005)が負債を抱えていることだ。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。

負債はいつ危険なのか?

有利子負債やその他の負債が企業にとって危険となるのは、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その負債を容易に履行できない場合である。 最終的に、企業が法的な債務返済義務を果たせなくなった場合、株主は何も手にできなくなる可能性がある。 しかし、より一般的な(しかし、まだ高価な)状況は、会社が単に負債をコントロールするために安い株価で株主を希釈化しなければならない場合である。 とはいえ、最も一般的な状況は、企業が負債を合理的に管理し、自社に有利になるようにすることである。 企業がどの程度の負債を使用しているかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。

東急の最新の分析をご覧ください。

東急の純有利子負債は?

下記の通り、2024年3月時点の東急の有利子負債は1.26億円で、前年とほぼ同水準となっている。グラフをクリックすると詳細を見ることができる。 一方、現金は434億円あり、純有利子負債は約12.1億円である。

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東証:9005 2024年6月29日負債比率の推移

東急の負債

直近の貸借対照表を見ると、東急は1年以内に7,431億円、それ以降に10億8,000万円の債務を負っている。 これらの債務と相殺されるのは、434億円の現金と12ヶ月以内に支払うべき1941億円の債権である。 負債は現金と短期債権の合計を15.9億円上回る。

この赤字額は同社の時価総額(1.06億円)を上回るため、株主は子供が初めて自転車に乗るのを見守る親のように、東急電鉄の負債水準を注視する必要があると思われる。 仮に、現在の株価で増資による負債返済を余儀なくされた場合、極めて大きな希薄化が必要となる。

企業の収益に対する負債を評価するため、純有利子負債をEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)で割り、EBIT(利払い前・税引き前利益)を支払利息(インタレスト・カバー)で割って計算する。 この方法では、債務の絶対額と支払金利の両方を考慮する。

不思議なことに、東急のEBITDAレシオは6.7と非常に高く、負債が多いことを意味するが、インタレスト・カバレッジは14.1と高い。 これは、同社が非常に安価な負債を利用できない限り、支払利息が将来的に増加する可能性が高いことを意味する。 特筆すべきは、東急のEBITがイーロン・マスクよりも高く、昨年比でなんと113%も増加したことだ。 有利子負債を分析する際、バランスシートに注目すべきなのは明らかだ。 しかし、東急が今後も健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 そこで、将来に焦点を当てるのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをご覧いただきたい。

なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 つまり、EBITがフリー・キャッシュ・フローにどれだけ裏付けられているかをチェックする価値がある。 過去3年間、東急は大量のキャッシュを消費した。 これは成長のための支出の結果かもしれないが、負債をはるかにリスキーなものにしている。

我々の見解

率直に言って、東急のEBITDA純有利子負債とEBITをフリー・キャッシュ・フローに換算した実績の両方が、その負債水準をむしろ不愉快なものにしている。 しかし、少なくとも、EBITで支払利息をカバーできていることは頼もしい。 大局的に見れば、東急の負債利用が同社にリスクをもたらしているのは明らかだ。 すべてがうまくいけば、それは報われるかもしれないが、この負債のマイナス面は、恒久的な損失のリスクが大きいことである。 負債についてバランスシートから最も多くを学べることは間違いない。 しかし結局のところ、どの企業にもバランスシートの外に存在するリスクがある。 こうしたリスクを見つけるのは難しい。どの企業にもあるのだが、我々は 東急の1つの警告サインを 発見した。

もちろん、もしあなたが負債を背負わずに株を買いたいタイプの投資家なら、迷わず当社の純現金成長株リストをご覧いただきたい。

This article has been translated from its original English version, which you can find here.