Stock Analysis
投資家としてリスクを考えるには、負債よりもむしろボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義語とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 負債が多すぎると企業が沈没する可能性があるからだ。 重要なのは、ローム株式会社(東証:6963)である。(TSE:6963) は負債を抱えている。 しかし、この負債は株主にとって懸念材料なのだろうか?
負債はいつ危険なのか?
負債は、事業が新たな資本またはフリー・キャッシュ・フローで返済に窮するまで、事業を支援する。 資本主義の一部とは、失敗した事業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスである。 しかし、より一般的な(しかし依然としてコストのかかる)状況とは、単に負債をコントロールするために、企業が安い株価で株主を希薄化しなければならないような場合である。 もちろん、成長資金を調達するために負債を利用する企業もたくさんあり、そのような場合、悪影響は生じない。 企業の負債レベルを検討する際の最初のステップは、現金と負債を一緒に検討することである。
ロームの負債とは?
下の画像をクリックすると詳細が表示されるが、2024年9月時点のロームの有利子負債は4,400億円で、1年前の3,402億円から増加している。 ただし、現金は3,138億円あるため、純有利子負債は1,262億円となる。
ロームの負債について
直近の貸借対照表によると、ロームの負債は12カ月以内に2,366億円、12カ月超に3,430億円となっている。 一方、現金は3,138億円、1年以内に回収予定の債権は878億円。 つまり、現預金と1年以内の売掛金を合計すると1,779億円の債務超過となる。
ロームの時価総額は5,906億円である。 しかし、負債が過大なリスクをもたらしているとの指摘がないか、注視したい。
企業の収益に対する負債を評価するために、純負債をEBITDA(利払い・税引き・減価償却・償却前利益)で割り、EBIT(利払い・税引き前利益)を支払利息(インタレスト・カバー)で割って計算する。 このアプローチの利点は、有利子負債の絶対額(EBITDAに対する純有利子負債)と、その負債に関連する実際の支払利息(インタレスト・カバー率)の両方を考慮することである。
ロームのEBITDAに対する有利子負債比率はわずか1.4と低い。 そして驚くべきことに、純有利子負債があるにもかかわらず、過去12ヶ月間、実際に支払わなければならなかった利息よりも多くの利息を受け取っている。 つまり、腕利きの鉄板焼きシェフが料理をこなすように、負債を処理できると言ってもいい。 実際、ロームの救いは負債が少ないことだ。というのも、同社のEBITは過去12ヶ月で83%も急減しているからだ。 企業の収益が悪化すると、貸し手との関係が悪化することがある。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、ロームが長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来の収益性によって決まる。 将来性を重視するのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをご覧ください。
最後に、企業は負債を返済するためにフリーキャッシュフローを必要としている。 そこで論理的なステップは、実際のフリー・キャッシュ・フローと一致するEBITの割合を見ることである。 過去3年間、ロームは大量の現金を消費した。 それは成長のための支出の結果かもしれないが、負債をはるかにリスクの高いものにしている。
当社の見解
率直に言って、ロームのEBITからフリー・キャッシュ・フローへの変換とEBITの(成長しない)実績の両方が、その負債水準にむしろ不快感を抱かせる。 しかし、明るい面として、金利カバー率は良い兆候であり、私たちはより楽観的になる。 以上の要素を総合的に考えると、ロームの負債がややリスクを高めているように思われる。 それは必ずしも悪いことではないが、一般的にはレバレッジが低い方が安心できる。 負債水準を分析する場合、バランスシートが出発点となるのは明らかだ。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、ロームには 4つの警告サインが ある( そして1つは私たちにはあまりしっくりこない) 。
すべてが終わってみれば、負債を必要としない企業に注目する方が簡単な場合もある。読者は今すぐ、純負債ゼロの成長株リストに 100%無料でアクセスできる。
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