小野薬品工業(東証:4528)の株価収益率(PER)8.1倍は、約半数の企業がPER15倍を超え、PER23倍超もザラにある日本市場と比較すると、今が買いのように見えるかもしれない。 とはいえ、PERの引き下げに合理的な根拠があるかどうかを判断するには、もう少し掘り下げる必要があるだろう。
最近の小野薬品工業の業績は、他社を上回るペースで上昇している。 好調な業績が大幅に悪化すると多くの人が予想しているため、PERが抑制されているのかもしれない。 小野薬品工業が好きなら、そうならないことを願っているはずだ。
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小野薬品工業のPERを正当化するためには、市場を引き離す低成長が必要だ。
昨年度の利益成長率を確認すると、同社は15%増という驚異的な伸びを記録している。 直近の業績が好調だったということは、過去3年間でEPSを合計80%成長させることもできたということだ。 従って、株主はこうした中期的な利益成長率を歓迎したことだろう。
展望に目を転じると、今後3年間は収益が減少し、アナリスト9名の予想では年率5.0%の減益となる。 他の市場が年率9.6%の成長を見込んでいるのだから、これは決して良いことではない。
この情報では、小野薬品が市場より低いPERで取引されていることに驚きはない。 しかし、業績の縮小が長期的に安定したPERにつながるとは考えにくい。 弱い見通しが株価の重荷となっているため、この株価を維持するだけでも難しいかもしれない。
小野薬品工業のPERから何を学ぶか?
株価収益率(PER)は、特定の業界では価値を測る指標としては劣るという議論があるが、強力な景況感指標となり得る。
小野薬品工業が低PERを維持しているのは、予想通り業績が低迷しているためだ。 現段階では、投資家は収益改善の可能性が、高いPERを正当化できるほど大きくないと感じている。 このような状況では、近い将来に株価が大きく上昇するとは考えにくい。
投資リスクは常に存在する。 小野薬品工業には1つの警告サインがある。
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