Stock Analysis

アステラス製薬(東証:4503)は危険な投資か?

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投資家としてリスクを考えるには、負債よりもボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義語とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 事業が破綻するときには負債が絡んでくることが多いのだから、企業のリスクの高さを調べるときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 重要なのは、アステラス製薬(東証:4503)が負債を抱えていることだ。 しかし、この負債は株主にとって懸念事項なのだろうか?

なぜ負債がリスクをもたらすのか?

借入金は、事業が新たな資本またはフリーキャッシュフローで返済に窮するまで事業を支援する。 資本主義の一部とは、失敗した事業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスである。 しかし、より一般的な(しかし依然としてコストのかかる)状況とは、単に負債をコントロールするために、企業が安い株価で株主を希薄化しなければならないような場合である。 とはいえ、最も一般的な状況は、企業が負債を合理的に管理し、自社に有利になるようにすることである。 アステラス製薬では、企業の負債の使用について考える際、まず現金と負債を一緒に見ます。

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アステラス製薬の負債とは?

アステラス製薬の有利子負債は2024年3月時点で9,200億円で、1年前と比べ1,292億円増加している。 一方、現金は3,357億円あり、純有利子負債は約5,843億円となっている。

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東証:4503 有利子負債比率の推移 2024年6月14日

アステラス製薬のバランスシートの健全性は?

最新の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が12.9億円、それ以降に返済期限が到来する負債が6,879億円ある。 その一方で、3,357億円の現金と5,480億円の債権が12ヶ月以内に返済期限を迎える。 つまり、負債が現金と(近い将来の)債権の合計を10.9億円上回っている。

アステラス製薬の時価総額は26.9億円と非常に大きいので、いざとなればキャッシュを調達してバランスシートを改善させることも可能だろう。 しかし、負債返済能力を注視する価値はある。

企業の収益に対する有利子負債を評価するために、純有利子負債をEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)で割り、EBIT(利払い前・税引き前利益)を支払利息(インタレスト・カバー)で割って計算する。 このように、債務の絶対額と支払金利の両方を考慮する。

アステラス製薬のEBITDAに対する純有利子負債の比率は約2.4であり、有利子負債の使用は中程度であることを示唆している。 また、158倍という強力なインタレスト・カバレッジが、さらに安心感を高めている。 株主は、アステラス製薬のEBITが昨年63%減少したことに留意すべきである。 この収益傾向が続けば、負債を返済するのはジェットコースターで猫を群れにするのと同じくらい簡単だろう。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、アステラス製薬が長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来の収益性によって決まる。 プロがどう考えているか知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。

なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 つまり、EBITがフリーキャッシュフローにどれだけ裏付けられているかをチェックする価値がある。 株主にとって嬉しいことに、アステラス製薬は過去3年間、EBITを上回るフリーキャッシュフローを生み出している。 金融機関の機嫌を損ねないためには、現金の流入に勝るものはない。

当社の見解

アステラス製薬のEBIT成長率は、今回の分析では実質的にマイナスであったが、我々が考慮した他の要素はかなり良好であった。 EBITで支払利息をカバーする能力がかなり高いことは間違いない。 これらのデータを見る限り、アステラス製薬の負債水準には少し慎重である。 有利子負債には潜在的なリターンを高めるというアップサイドがある一方で、株主は負債水準が株価をよりリスキーにする可能性があることを間違いなく考慮すべきと考える。 負債水準を分析する場合、バランスシートは当然始めるべき場所である。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 こうしたリスクを見つけるのは難しい。 アステラス製薬の3つの警告サイン (うち1つは深刻な可能性がある!)を見てみよう。

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This article has been translated from its original English version, which you can find here.