Stock Analysis

東海カーボン(東証:5301)のバランスシートはやや苦しい

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TSE:5301

バークシャー・ハサウェイのチャーリー・マンガーが支援する外部ファンド・マネージャー、リー・ルー氏は、『最大の投資リスクは価格の変動ではなく、資本が永久に失われるかどうかだ』と言って、それを骨抜きにしない。 事業が破綻するときには負債が絡むことが多いので、企業のリスクの高さを検討するときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 他の多くの企業と同様、東海カーボン株式会社(TSE:5301)も、バランスシートを考慮している(他の多くの企業と同様、東海カーボン株式会社(東証:5301)も負債を利用している。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。

負債がもたらすリスクとは?

借金はビジネスを成長させるためのツールだが、もしビジネスが貸し手に返済できないのであれば、そのビジネスは貸し手の言いなりになってしまう。 事態が本当に悪化すれば、貸し手はビジネスをコントロールすることができる。 しかし、より一般的な(それでも痛みを伴う)シナリオは、低い価格で新たな株式資本を調達しなければならず、その結果、株主が恒久的に希薄化することである。 もちろん、負債もビジネス、特に資本の重いビジネスにおいては重要な手段となりうる。 企業がどの程度の負債を使うかを考える際にまずすべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。

東海カーボンの最新の分析をご覧ください。

東海カーボンの負債額は?

下記の通り、東海カーボンは2024年6月時点で1,786億円の負債を抱えている。グラフをクリックすると詳細が表示される。 一方、現金は774億円あり、純有利子負債は約1012億円である。

東証:5301 有利子負債比率の推移 2024年9月19日

東海カーボンのバランスシートの健全性は?

最新の貸借対照表を見ると、1年以内に1,241億円、それ以降に1,696億円の負債がある。 一方、現金は774億円、1年以内に回収期限の到来する債権は726億円ある。 つまり、負債が現預金と(短期)債権を合計した1,437億円を上回っている。

時価総額1,782億円に対して、レバレッジの山である。 このことは、同社がバランスシートの補強を急ぐ必要がある場合、株主が大きく希薄化することを示唆している。

企業の収益に対する有利子負債を評価するために、純有利子負債をEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)で割った数値と、EBIT(利払い前・税引き前利益)を支払利息で割った数値(インタレストカバー)を算出する。 このように、債務の絶対額と支払金利の両方を考慮する。

東海カーボンのEBITDAに対する純有利子負債の比率は約1.5であり、有利子負債の使用は中程度であることを示唆している。 また、1,000倍という強力な金利カバー率も、さらに安心感を高めている。 実際、東海カーボンの救いは負債水準が低いことである。 業績が悪化すると、融資先との関係が悪化することもある。 貸借対照表から負債について最もよく知ることができるのは間違いない。 しかし、東海カーボンが長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。

最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷徹な現金だけである。 そのため、EBITのうちフリー・キャッシュ・フローがどれだけ裏付けされているかをチェックする価値がある。 過去3年間で、東海カーボンのフリー・キャッシュ・フローはEBITの7.4%に相当する。 この低水準のキャッシュ・コンバージョンは、債務を管理・返済する能力を弱体化させる。

当社の見解

東海カーボンのEBIT成長率は期待外れだったと言える。 しかし、少なくとも、EBITで支払利息をカバーできていることは確かだ。 全体として、東海カーボンは十分な負債を抱えており、バランスシートには現実的なリスクがあると言える。 すべてがうまくいけば、それは報われるかもしれないが、この負債のマイナス面は、恒久的な損失のリスクが大きいことである。 負債を分析する際、バランスシートに注目すべきなのは明らかである。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 私たちは 東海カーボンに 2つの警告のサインを発見 したので、それを理解することはあなたの投資プロセスの一部であるべきだ。

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