Stock Analysis

三井化学 (東証:4183) 借入金でリスクを負う

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チャーリー・マンガーが支援した)伝説のファンドマネージャー、リー・ルーがかつて『最大の投資リスクは価格の変動ではなく、資本が永久に失われるかどうかだ』と言った。 つまり、賢明な投資家たちは、企業の危険性を評価する際に、倒産につきものの負債が非常に重要な要素であることを知っているようだ。 重要なのは、三井化学(東証:4183)が負債を抱えていることだ。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。

借金はいつ危険なのか?

借金は企業の成長を助けるツールだが、もし企業が貸し手に返済する能力がなければ、その企業は貸し手の言いなりになってしまう。 最終的に、会社が法的な債務返済義務を果たせなければ、株主は何も手にすることができない。 しかし、より一般的な(しかし、まだ高価な)状況は、会社が単に負債を制御するために安い株価で株主を希釈化しなければならない場合である。 しかし、希薄化に取って代わることで、負債は、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、非常に優れた手段となり得る。 企業がどの程度の負債を使用しているかを考える際にまず行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。

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三井化学の負債とは?

下のグラフをクリックすると詳細が見られるが、三井化学の2023年12月時点の有利子負債は7,526億円で、前年とほぼ同じである。 一方、現金は2,523億円あり、純有利子負債は約5,004億円となっている。

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東証:4183 2024年2月27日の有利子負債残高の推移

三井化学のバランスシートの強さは?

直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が6,953億円、それ以降に返済期限が到来する負債が5,215億円ある。 その一方で、現金が2,523億円、12ヶ月以内に期限が到来する債権が3,361億円ある。 つまり、現預金と短期債権を合計した額より、負債の方が6,283億円多い。

時価総額7,953億円に対してレバレッジの山である。 貸出先がバランスシートの補強を要求すれば、株主は深刻な希薄化に直面する可能性が高い。

私たちは、純有利子負債をEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)で割った数値と、EBIT(利払い前・税引き前利益)がどれだけ容易に支払利息をカバーできるか(インタレスト・カバー)を計算することで、企業の収益力に対する負債負担を測定している。 従って、減価償却費の有無にかかわらず、利益に対する有利子負債を考慮する。

三井化学の純有利子負債はEBITDAの3.4倍であり、レバレッジは大きいがまだ妥当な額である。 しかし、EBITは支払利息の約1,000倍であり、このレベルの負債を維持するために高いコストを支払っているわけではない。仮にこの低コストを維持できないとしても、これは良い兆候である。 株主は、三井化学のEBITが昨年51%減少したことに留意すべきである。 このまま減少が続けば、債務返済は菜食主義者の大会でフォアグラを売るよりも難しくなるだろう。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、三井化学が長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。

最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷厳な現金だけである。 そのため、EBITがフリーキャッシュフローに対応しているかどうかを見る必要がある。 過去3年間を考えると、三井化学は全体としてキャッシュ・アウトを記録している。 フリー・キャッシュ・フローが不安定な企業にとって、借入金ははるかにリスクが高いため、株主は過去の支出が将来フリー・キャッシュ・フローを生み出すことを期待すべきである。

当社の見解

一見したところ、三井化学のEBITからフリー・キャッシュ・フローへの変換は、この銘柄に対して私たちを躊躇させるものであり、そのEBIT成長率は、1年で最も忙しい夜に1軒だけ空いているレストランほど魅力的なものではなかった。 しかし、良い面もある。金利カバー率は良い兆候であり、我々を楽観的にさせてくれる。 三井化学はバランスシートの健全性から、かなりリスキーな企業だと考えている。 このため、我々はこの銘柄にかなり慎重であり、株主はその流動性に注視すべきだと考える。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートにあるわけではない。 例えば、 三井化学には注意すべき2つの警告 サインがある。

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This article has been translated from its original English version, which you can find here.