デービッド・アイベンは、『ボラティリティは我々が気にするリスクではない。私たちが気にするのは、資本の永久的な損失を避けることだ』。 だから、ある銘柄のリスクの高さを考えるとき、負債を考慮する必要があるのは明らかかもしれない。 東洋水産株式会社(東証:2875)は、負債が多い。(東洋水産株式会社(東証:2875)の貸借対照表には負債がある。 しかし、本当の問題は、この負債が同社をリスキーにしているかどうかである。
なぜ負債がリスクをもたらすのか?
借金は企業の成長を助けるツールだが、もし企業が貸し手に返済する能力がなければ、その企業は貸し手の言いなりになってしまう。 事態が本当に悪化すれば、貸し手はビジネスをコントロールすることができる。 しかし、より一般的な(それでも痛みを伴う)シナリオは、低価格で新たな株式資本を調達しなければならず、その結果、株主が恒久的に希薄化することである。 もちろん、負債もビジネス、特に資本の重いビジネスにおいては重要な手段となりうる。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。
東洋水産の負債とは?
下の図をクリックすると過去の数字が表示されるが、2024年9月現在、東洋水産の有利子負債は4億6,300万円で、1年前の3億8,700万円から増加している。 一方、現金は2,440億円あり、2,435億円のネットキャッシュとなっている。
東洋水産のバランスシートの強さは?
最新の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が686億円、それ以 降に返済期限が到来する負債が268億円ある。 これらの債務と相殺される現金2,440億円、12ヶ月以内に期限の到来する債権623億円がある。 つまり、負債総額より流動資産の方が2,109億円多い。
この黒字は、東洋水産が安全かつ保守的な方法で負債を活用していることを示唆している。 短期流動性は十分に確保されており、融資先との間に問題はないと思われる。 簡潔に言えば、東洋水産はネットキャッシュを誇っており、負債が多いとは言えない!
その上、東洋水産は過去12ヶ月間でEBITを47%伸ばしており、この成長によって負債を処理しやすくなるだろう。 有利子負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、東洋水産が今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 プロがどう考えているか知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが興味深いかもしれない。
最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷厳な現金だけである。 東洋水産は貸借対照表にネット・キャッシュを計上 しているが、そのキャッシュ・バランスの構築(または減 少)の速さを理解する上で、金利税引前利益(EBIT)をフリー・キャッ シュ・フローに変換する能力を見る価値はある。 直近の3年間で、東洋水産はEBITの75%に相当するフリー・キャッシュ・フローを記録した。フリー・キャッシュ・フローが利子と税金を除いたものであることを考えると、これは通常の水準である。 この冷徹なキャッシュは、同社が望むときに負債を減らすことができることを意味する。
まとめ
企業の有利子負債を調査することは常に賢明であるが、今回のケースでは、東洋水産は2,435億円のネットキャッシュを持ち、バランスシートも良好である。 また、昨年度のEBIT成長率は47%であった。 従って、東洋水産が有利子負債を利用することが危険だとは思わない。 東洋水産に興味があるなら、ここをクリックして一株当たり利益の履歴をインタラクティブなグラフで確認するとよいだろう。
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