バークシャー・ハサウェイのチャーリー・マンガーが支援する外部ファンドマネージャー、リー・ルー氏は、『最大の投資リスクは価格の変動ではなく、資本が永久に失われるかどうかだ』と言っている。 つまり、賢い投資家たちは、企業の危険性を評価する際に、倒産につきものの負債が非常に重要な要素であることを知っているようだ。 東洋水産株式会社(TSE:2875)は、倒産した。(東洋水産株式会社(TSE:2875)のバランスシートには負債がある。 しかし、この負債は株主にとって懸念材料なのだろうか?
負債がもたらすリスクとは?
一般的に言って、負債が現実的な問題となるのは、企業が資本調達や自らのキャッシュフローで容易に返済できなくなった場合のみである。 事態が本当に悪化した場合、貸し手は事業をコントロールすることができる。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストはかかる)事態は、企業がバランスシートを補強するためだけに、バーゲン価格で株式を発行し、株主を恒久的に希薄化させなければならない場合である。 しかし、希薄化の代わりに、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、借入金は非常に優れた手段となり得る。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。
東洋水産の負債額は?
下のグラフをクリックすると詳細が表示されるが、2024 年 3 月期の有利子負債は 3 億 9,000 万円で、前年とほぼ同額である。 ただし、2,547億円の現金があり、これを相殺すると2,543億円のネットキャッシュとなる。
東洋水産のバランスシートの強さは?
最新の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が698億円、それ以降に返済期限が到来する負債が266億円ある。 一方、現金は2,547億円、1年以内に期限の到来する債権は642億円。 流動資産は2,225億円で、負債を上回っている。
東洋水産がバランスシートに潤沢な流動性を確保していることは、保守的な負債管理を示唆している。 短期的な流動性は十分確保されているため、融資先との間で問題が生じることはないと思われる。 簡単に言えば、東洋水産が負債よりも現金の方が多いという事実は、負債を安全に管理できるという良い兆候であることは間違いない。
それに加えて、東洋水産がEBITを65%押し上げたことで、将来の負債返済の可能性が低くなったことは喜ばしい。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、東洋水産が今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 東洋水産は、貸借対照表上ではネットキャッシュを持っているかもしれないが、金利・税引前利益(EBIT)をフリーキャッシュフローにどれだけ変換しているかを見るのは興味深い。 直近の3年間で、東洋水産はEBITの73%に相当するフリー・キャッシュ・フローを記録している。 この冷徹なキャッシュは、同社が望むときに負債を減らすことができることを意味する。
まとめ
企業の負債を調査するのは常に賢明なことだが、今回のケースでは、東洋水産は2,543億円のネット・キャッシュを持ち、バランスシートも良好である。 また、昨年のEBITは前年比65%増と高い伸びを示した。 従って、東洋水産が負債を使用することが危険だとは思わない。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートにあるわけではない。 東洋水産には 1つの警告サインが あり、それを理解することは投資プロセスの一部であるべきだ。
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