PER(株価収益率)35.8倍の味の素株式会社(東証:2802)は、日本の企業の半数近くがPER14倍以下であり、PER9倍以下も珍しくないことを考えると、現在非常に弱気なシグナルを発している可能性がある。 とはいえ、PERを額面通りに受け取るのは賢明ではない。
味の素は最近、業績が悪化しており、平均的に成長している他の企業と比べても見劣りする。 低迷する業績が大幅に回復すると多くの人が予想しているため、PERが暴落せずに済んでいるのかもしれない。 もしそうでないなら、既存株主は株価の存続可能性に極めて神経質になっているかもしれない。
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味の素のようにPERが高くて安心できるのは、会社の成長が市場を圧倒する勢いである時だけだ。
振り返ってみると、昨年は4.9%の減益という悔しい結果となった。 それでも、EPSは過去12ヶ月にかかわらず、3年前と比較して58%増加した。 従って、このまま好調を維持したいところだが、株主は中期的な利益成長率を歓迎するだろう。
同社を担当するアナリストによれば、今後3年間のEPSは毎年17%上昇すると予想されている。 これは、市場全体の年率9.6%の成長予測を大幅に上回る。
この情報により、味の素が市場と比べて高いPERで取引されている理由がわかる。 どうやら株主は、より豊かな未来を見据える可能性のあるものを手放したくないようだ。
味の素のPERの結論
株価収益率だけで株を売るべきかどうかを判断するのは賢明ではないが、会社の将来性を判断する実用的な指針にはなる。
味の素が高いPERを維持しているのは、予想成長率が市場予想よりも高いためである。 現段階では、投資家は収益悪化の可能性がPERの引き下げを正当化できるほど大きくないと感じている。 こうした状況が変化しない限り、株価の強力な下支えは続くだろう。
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