Stock Analysis

山崎製パン (東証:2212) 簡単に負債を増やすことができる

TSE:2212
Source: Shutterstock

ウォーレン・バフェットは、『ボラティリティはリスクと同義ではない。 だから、ある銘柄のリスクの高さを考えるときに、負債を考慮する必要があるのは明らかかもしれない。 重要なのは、山崎製パン株式会社(東証:2212)である。(東証:2212)は負債を抱えている。 しかし、株主はその負債の使い方を心配すべきなのだろうか?

負債が問題となるのはどのような場合か?

借金は企業の成長を助けるツールだが、もし企業が貸し手に返済できないのであれば、その企業は貸し手の言いなりになってしまう。 最終的に、企業が法的な債務返済義務を果たせなければ、株主は何も手にすることができなくなる。 このような事態はあまり一般的ではないが、負債を抱える企業が、貸し手から窮迫した価格での増資を余儀なくされ、株主が恒久的に希薄化するケースはよく見られる。 もちろん、成長資金を調達するために負債を利用する企業も数多くあり、そのような企業には悪影響はない。 負債水準を検討する際には、まず現金と負債水準の両方を合わせて検討する。

山崎製パンの最新分析を見る

山崎製パンの負債額は?

下の画像をクリックすると詳細が見られるが、山崎製パンの2023年12月末の有利子負債は723億円で、1年前の786億円から減少している。 ただし、1,349億円の現金があり、これを相殺すると626億円のネットキャッシュとなる。

debt-equity-history-analysis
2024年2月29日 東証2212D/Eヒストリー

山崎製パンの負債について

直近の貸借対照表によると、12ヶ月以内に返済期限が到来する負債が2,579億円、 12ヶ月超に返済期限が到来する負債が980億円となっている。 その一方で、現金1,349億円、12ヶ月以内に弁済期が到来する債権1,348億円がある。 つまり、負債は現金と短期債権の合計より862億円多い。

山崎製パンの時価総額が7,192億円であることから、これらの負債が大きな脅威になるとは考えにくい。 しかし、バランスシートの強さは時間の経過とともに変化する可能性があるため、注視する価値はあると思われる。 山崎製パンは負債を抱えるが、現金の方が多いので、負債を安全に管理できると確信している。

その上、山崎製パンは過去12ヶ月間でEBITを90%伸ばしており、その成長によって負債を処理しやすくなるだろう。 負債水準を分析する場合、バランスシートは当然の手始めである。 しかし、山崎製パンが今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 プロフェッショナルの意見を知りたいなら、アナリストの利益予測に関する無料レポートが興味深いだろう。

最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷厳な現金だけである。 山崎製パンの貸借対照表にはネット・キャッシュがあるが、金利・税引前利益(EBIT)をフリー・キャッシュ・フローに変換する能力を見る価値はある。 直近の3年間で、山崎製パンはEBITの77%に相当するフリー・キャッシュ・フローを記録しており、フリー・キャッシュ・フローが金利と税金を除いたものであることを考慮すると、これはほぼ通常の水準である。 このフリー・キャッシュ・フローにより、同社は適切なタイミングで負債を返済することができる。

まとめ

山崎製パンは流動資産よりも負債が多いものの、626億円のネットキャッシュを保有している。 また、昨年度のEBIT成長率は90%であった。 従って、山崎製パンの負債使途がリスキーだとは思わない。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、 山崎製パンの注意すべき兆候を1つ 挙げてみた。

すべてが終わってみれば、負債を必要としない企業に注目する方が簡単な場合もある。純有利子負債ゼロの成長株リストに、読者は今すぐ100%無料でアクセスできる。

This article has been translated from its original English version, which you can find here.