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ローランド(東証:7944)は負債をかなり賢く使っているようだ

TSE:7944
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投資家としてリスクを考えるには、負債よりもむしろボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 事業が破綻するときには負債が絡んでくることが多いのだから、企業のリスク度合いを調べるときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 重要なのは、ローランド株式会社(東証:7944)が負債を抱えていることだ。 しかし、この負債は株主にとって懸念事項なのだろうか?

負債がもたらすリスクとは?

借金は、ビジネスを成長させるための手段であるが、もしビジネスが貸し手に返済できないのであれば、そのビジネスは貸し手の言いなりになってしまう。 最悪の場合、債権者への支払いができなくなった企業は倒産する可能性がある。 そのようなケースはあまり多くはないが、負債を抱えた企業が、貸し手から苦しい価格での資本調達を強いられ、株主を恒久的に希薄化させるケースはよく見られる。 もちろん、成長資金を調達するために負債を利用する企業も数多くあり、そのような企業には悪影響はない。 企業の負債レベルを検討する際の最初のステップは、現金と負債を一緒に検討することである。

ローランドに関する最新の分析をご覧ください。

ローランドが抱える負債額は?

ローランドは2023年12月に229億円の負債を抱えており、1年前の265億円から減少している。 一方、現金は129億円あり、純有利子負債は約100億円。

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東証:7944 負債比率の推移 2024年3月20日現在

ローランドの負債の状況

最新の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が280億円、それ以降に返済期限が到来する負債が128億円ある。 一方、現金は129億円、1年以内に回収予定の債権は133億円。 一方、現金は129億円、1年以内に期限の到来する債権は133億円。

もちろん、ローランドの時価総額は1,356億円なので、これらの負債は管理可能だろう。 とはいえ、同社のバランスシートが悪い方向に変化しないよう、注視し続ける必要があることは明らかだ。

私たちは、利益に対する負債水準を知るために、主に2つの比率を使っている。ひとつは、純有利子負債を利払い・税引き・減価償却・償却前利益(EBITDA)で割ったもので、もうひとつは、利払い・税引き前利益(EBIT)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレストカバー)である。 この手法の利点は、有利子負債の絶対額(EBITDAに対する純有利子負債)と、その有利子負債に関連する実際の支払利息(インタレスト・カバレッジ・レシオ)の両方を考慮することである。

ローランドのEBITDA純有利子負債比率は0.68と低い。 また、EBITDAは支払利息のなんと516倍をカバーしている。 そのため、超保守的な負債の使い方にはかなり寛容である。 また、ローランドは昨年EBITを10%増加させ、負債の負担を軽くしている。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、ローランドが今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 そこで、将来を重視するのであれば、アナリストの利益予測を示したこちらの無料レポートをご覧いただきたい。

なぜなら、企業は紙の利益で負債を支払うことはできず、冷厳な現金が必要だからです。 そこで私たちは、EBITがどれだけフリー・キャッシュフローに変換されているかを常にチェックしている。 直近の3年間を見ると、ローランドはEBITの44%のフリーキャッシュフローを記録しており、これは予想よりも弱い。 キャッシュフローへの転換が弱いと、負債を処理するのが難しくなる。

当社の見解

良いニュースは、ローランドがEBITで支払利息をカバーする能力を実証したことである。 また、EBITDAに対する純負債も非常に心強い。 上記の様々な要因を考慮すると、ローランドはかなり賢明な負債の使い方をしているように見える。 リスクもあるが、株主へのリターンを高めることもできる。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例を挙げよう: ローランドが注意すべき1つの警告サインを 発見した。

すべてが終わってみれば、負債を必要としない企業に注目する方が簡単な場合もある。読者は今すぐ、純負債ゼロの成長株リストに 100%無料でアクセスできる。

This article has been translated from its original English version, which you can find here.