Stock Analysis
ハワード・マークスは、株価のボラティリティを心配するよりも、『恒久的な損失の可能性こそ、私が心配するリスクである......そして、私が知っている実践的な投資家は皆心配する』と言った。 つまり、ある銘柄のリスクがどの程度かを考えるとき、負債を考慮する必要があることは明らかかもしれない。 豊田通商株式会社(TSE:8015)は、事業において負債を使用していることがわかる。 しかし、株主は負債の使用を心配すべきなのだろうか?
負債はいつ問題になるのか?
一般的に言って、負債が本当に問題になるのは、企業が資本を調達するか、自らのキャッシュフローで簡単に返済できなくなったときだけである。 資本主義の一部とは、失敗した企業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスである。 しかし、より頻繁に起こる(しかし依然としてコストのかかる)事態は、企業がバランスシートを補強するためだけに、バーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 とはいえ、最も一般的な状況は、企業が負債を合理的に管理し、自社に有利になるようにすることである。 企業の負債レベルを検討する際の最初のステップは、現金と負債を一緒に検討することである。
豊田通商の負債額は?
下の画像をクリックすると詳細が表示されるが、2024年6月末の有利子負債は2.18億円で、1年前の2.33億円から減少している。 ただし、手元資金が8,570億円あるため、純有利子負債は約1.32億円と少なくなっている。
豊田通商のバランスシートの健全性は?
直近の貸借対照表によると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が 2.75億円、12カ月超に返済期限が到来する負債が1.87億円ある。 一方、現金は8,570億円、12ヶ月以内に支払期限の到来する債権は18.4億円ある。 つまり、負債が現預金と(短期)債権の合計を19.2億円上回っている。
時価総額28.7億円からみても、レバレッジの山である。 貸し手からバランスシートの補強を求められた場合、株主は深刻な希薄化に直面する可能性が高い。
当社では、利益に対する負債水準について、主に2つの比率を用いている。ひとつは純有利子負債を利払い・税引き・減価償却・償却前利益(EBITDA)で割ったもので、もうひとつは利払い・税引き前利益(EBIT)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレストカバー)である。 このアプローチの利点は、有利子負債の絶対額(EBITDAに対する純有利子負債)と、その有利子負債に関連する実際の支払利息(インタレスト・カバレッジ・レシオ)の両方を考慮することである。
豊田通商のEBITDAに対する純有利子負債の比率は約2.2であり、有利子負債の使用は中程度であることを示唆している。 また、金利カバー率は132倍と高く、さらに安心できる。 豊田通商は昨年、EBITを9.3%増加させた。 しかし、負債に関してはプラスである。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、豊田通商が長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 だから、もしあなたが将来に焦点を当てているなら、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをチェックすることができる。
最後に、企業は負債を返済するためにフリーキャッシュフローを必要とする。 そのため、EBITがどれだけフリーキャッシュフローに裏付けられているかをチェックする価値がある。 過去3年間、豊田通商のフリー・キャッシュフローはEBITの44%であり、予想より少ない。 このキャッシュフローの低さが、負債の処理を難しくしている。
当社の見解
当社の分析では、豊田通商の金利カバー率は、有利子負債にそれほど問題がないことを示すものである。 しかし、その他の点については、あまり楽観視できない。 例えば、負債総額の水準は、その負債について少し神経質にさせる。 上記のような要因を考慮すると、豊田通商の借入金には少し慎重な見方ができる。 有利子負債には、潜在的なリターンの増加というプラス面もあるが、株主は有利子負債水準が株価をよりリスキーにする可能性があることを間違いなく考慮すべきと考える。 負債水準を分析する場合、バランスシートは当然始めるべき場所である。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、豊田通商には 2つの警告サインが ある。
もしあなたが、堅固なバランスシートを持つ急成長企業に興味があるのであれば、当社の純現金成長株リストをご覧いただきたい。
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