Stock Analysis

豊田通商(東証:8015)は負債が多すぎる?

TSE:8015
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デービッド・アイベンは、『ボラティリティは我々が気にするリスクではない。我々が気にかけるのは、資本の永久的な損失を避けることだ』。 事業が破綻するときには負債が絡むことが多いので、企業のリスクの高さを調べるときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 豊田通商株式会社(TSE:8015)は、事業において負債を使用していることがわかる。 しかし、株主は負債の使用を心配すべきなのだろうか?

なぜ負債はリスクをもたらすのか?

借入金は、事業が新たな資本またはフリー・キャッシュ・フローで返済することが困難になるまで、事業を支援する。 最終的に、企業が負債返済の法的義務を果たすことができなければ、株主は何も手にすることができない。 しかし、より一般的な(しかし、依然として高価な)状況は、会社が単に負債をコントロールするために安い株価で株主を希釈化しなければならない場合である。 とはいえ、最も一般的な状況は、企業が負債を合理的に管理し、自社に有利になるようにすることである。 負債水準を検討する際には、まず現金と負債水準の両方を合わせて検討する。

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豊田通商の純負債は?

下の画像をクリックすると詳細が見られるが、2023年12月末の有利子負債は2.19億円で、1年前の2.36億円から減少している。 ただし、9,638億円の手元資金があるため、純有利子負債は約1.23億円と少なくなっている。

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東証:8015 負債資本比率の推移 2024年3月12日

豊田通商のバランスシートの健全性は?

直近の貸借対照表を見ると、1年以内に期限の到来する負債が2.66億円、それ以降に期限の到来する負債が1.78億円ある。 一方、現金は9,638億円、1年内回収予定の債権は174億円。 つまり、1.74億円は現金と(短期)債権の合計より負債が上回っている。

豊田通商の企業価値は3.30兆円と大きいため、必要であればバランスシートを補強するのに十分な資本を調達できるだろうから、この赤字はそれほど悪くはない。 しかし、豊田通商の負債が過大なリスクをもたらしている兆候には、常に注意を払いたい。

私たちは、純有利子負債をEBITDA(利払い・税引き・減価償却・償却前利益)で割った値と、EBIT(利払い・税引き・償却前利益)が支払利息をどれだけカバーしやすいか(インタレスト・カバー)を計算することによって、企業の収益力に対する負債負担を測定する。 したがって、減価償却費の有無にかかわらず、利益に対する負債を考慮する。

豊田通商のEBITDAに対する純有利子負債の比率(2.1)は緩やかで、負債に関しては慎重であることを示している。 また、333倍という高いインタレスト・カバレッジが、さらに安心感を高めている。 もし豊田通商が昨年の14%というペースでEBITDAを成長させ続けることができれば、負債の管理も容易になるだろう。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、豊田通商が長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。

なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 そこで私たちは、EBITがどれだけフリーキャッシュフローに変換されているかを常にチェックしている。 直近の3年間を見ると、豊田通商のフリー・キャッシュフローはEBITの32%であり、これは予想より弱い。 キャッシュフローへの転換が弱いと、負債を処理するのが難しくなる。

当社の見解

当社の分析では、豊田通商の金利カバー率は、有利子負債にそれほど問題がないことを示すものである。 しかし、上記で指摘した他の要因はそれほど心強いものではない。 例えば、EBITをフリー・キャッシュフローに変換するのに少し苦労しているようだ。 このようなデータを見ると、豊田通商の負債水準には少し慎重になってしまう。 有利子負債が株主資本利益率を高めることは認めるが、負債水準が上昇しないよう、株主は注視することを勧める。 負債についてバランスシートから最も多くを学べることは間違いない。 しかし結局のところ、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、豊田通商に投資する前に注意すべき2つの兆候を発見した。

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This article has been translated from its original English version, which you can find here.