株式分析

タカラスタンダード(東証:7981)の業績には疑問符がつく

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タカラスタンダード株式会社(東証:7981)の堅調な決算報告は、同社の株価を動かすには至らなかった。 これは、株主がいくつかの懸念材料に気づいたためではないかと分析している。

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東証:7981 2024年5月21日の業績と収益の歴史

タカラスタンダード<7981>の収益に対するキャッシュフローの検証

財務オタクならすでにご存知だろうが、キャッシュフローからの発生比率は、企業のフリーキャッシュフロー(FCF)が利益とどの程度一致しているかを評価するための重要な指標である。 分かりやすく言えば、この比率は純利益からFCFを差し引き、その数字をその期間の会社の平均営業資産で割ったものである。 この比率は、企業の利益のうち、フリー・キャッシュフローに裏付けられていないものがどれだけあるかを示している。

つまり、発生主義比率がマイナスであることは良いことであり、その企業が利益から想像されるよりも多くのフリーキャッシュフローをもたらしていることを示している。 発生主義比率がプラスであることは、一定レベルの非現金利益を示すので問題ないが、発生主義比率が高いことは、紙の利益がキャッシュフローに見合わないことを示すので、間違いなく悪いことである。 特に、一般的に言って、発生主義比率が高いことは目先の利益にとって悪い兆候であることを示唆するいくつかの学術的証拠がある。

2024年3月期のタカラスタンダードの発生主義比率は0.21であった。 残念ながら、これはフリー・キャッシュ・フローが報告された利益を大幅に下回っていることを意味する。 昨年1年間のフリー・キャッシュ・フローは、前述の95億円の利益とは対照的に、160億円のマイナスとなった。 タカラスタンダードのフリーキャッシュフローは昨年もマイナスだった。 しかし、考慮すべき点はそれだけではない。 異常項目が法定利益に影響を及ぼし、その結果、発生率に影響を及ぼしていることがわかる。

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特別損益の利益への影響

前期に11億円の特殊要因による利益押し上げがあったことが、発生率の低さの一因であろう。 一般的に利益が上がれば楽観的になるのは否定できないが、持続可能な利益であればそれに越したことはない。 世界中のほとんどの上場企業の数字を調べてみたが、異常な項目が一過性のものであることはよくあることだ。 その名前からして驚くにはあたらない。 そのような異常項目が今期も出ないと仮定すれば、来期は(事業が成長しない限りは)減益になると予想される。

タカラスタンダード<9983>の業績について

タカラスタンダード<9983>の業績は、発生率は低いが、特別損益が利益を押し上げた。 上記の理由から、タカラスタンダードの法定利益を瞥見すると、基礎的なレベルでは実際よりも良く見えるかもしれないと考える。 銘柄を分析する際には、リスクを考慮する必要がある。 例えば、タカラスタンダードについて、2つの警告サイン(1つは少し気になる)を確認した。

この記事では、利益数値の有用性を損なう可能性のある多くの要因を見てきた。 しかし、些細なことに意識を集中させることができるのであれば、まだまだ発見があるはずだ。 例えば、自己資本利益率が高いことを好景気の表れと考える人は多いし、「お金を追う」のが好きで、インサイダーが買っている銘柄を探す人もいる。 少し調べる手間がかかるかもしれないが、自己資本利益率が高い企業を集めた無料の コレクションや インサイダーが多く保有する銘柄のリストが役に立つかもしれない。

評価は複雑だが、我々はそれを単純化するためにここにいる。

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This article has been translated from its original English version, which you can find here.