ハワード・マークスは、株価の変動を心配するよりもむしろ、『恒久的な損失の可能性こそが私が心配するリスクであり、私が知っている実践的な投資家は皆心配している』と言った。 つまり、賢い投資家たちは、倒産につきものの負債が、企業のリスクを評価する上で非常に重要な要素であることを知っているようだ。 重要なのは、CKD株式会社(東証:6407)が負債を抱えていることだ。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。
負債はいつ問題になるのか?
フリー・キャッシュ・フローや魅力的な価格での資本調達によって、その債務を容易に履行できない場合、負債やその他の負債はビジネスにとってリスクとなる。 最悪のシナリオでは、債権者への支払いができなくなった場合、企業は倒産する可能性がある。 しかし、より頻繁に発生する(それでもなおコストがかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 もちろん、負債もビジネス、特に資本の重いビジネスにおいては重要な手段となり得る。 企業がどの程度の負債を使うかを考える際に最初にすべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。
CKDの負債額は?
下記の通り、2023年12月末時点のCKDの有利子負債は363億円で、1年前の159億円から増加している。詳細は画像をクリック。 ただし、現金は308億円あるため、純有利子負債は54.8億円となる。
CKDのバランスシートの強さは?
貸借対照表を拡大すると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が429億円、それ以 降に返済期限が到来する負債が352億円ある。 一方、現金は308億円、1年以内に回収予定の債権は320億円。 負債は現金と短期債権の合計より152億円多い。
CKDの時価総額が2,106億円であることを考えると、これらの負債が大きな脅威になるとは考えにくい。 とはいえ、同社のバランスシートが悪い方向に変化しないよう、注視し続ける必要があることは明らかだ。
私たちは、利益に対する負債水準について知るために、主に2つの比率を使っている。ひとつは、純有利子負債を利払い・税引き・減価償却・償却前利益(EBITDA)で割ったもので、もうひとつは、利払い・税引き前利益(EBIT)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレストカバー)である。 このアプローチの利点は、有利子負債の絶対額(EBITDAに対する純有利子負債)と、その負債に関連する実際の支払利息(インタレスト・カバレッジ・レシオ)の両方を考慮することである。
CKDのEBITDA純有利子負債比率は0.25と低い。 また、そのEBITは102倍の規模であるため、支払利息を容易にカバーできる。 つまり、象がネズミに脅かされるのと同じように、CKDは負債によって脅かされているわけではないのだ。 もし経営陣が昨年のEBIT30%減の再現を防げなければ、CKDにとって債務負担の軽さは決定的となるかもしれない。 企業の収益が悪化すると、貸し手との関係が険悪になることもある。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、CKDが長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷厳な現金だけである。 したがって、EBITが対応するフリー・キャッシュ・フローにつながっているかどうかを見る必要がある。 過去3年間、CKDのフリーキャッシュフローは合計でマイナスだった。 通常、フリー・キャッシュ・フローがマイナスの企業の手にかかると、借入金はより高額になり、ほとんどの場合、よりリスクが高くなる。株主は改善を望むべきである。
当社の見解
CKDのEBIT成長率には神経質になっている。 CKDのEBITDA成長率には神経質になっている。 前述のデータを総合的に勘案すると、CKDの負債はややリスキーだと思われる。 レバレッジは株主資本利益率を高めることができるため、必ずしも悪いことではないが、注意すべき点である。 負債を分析する際、バランスシートが注目すべき分野であることは明らかだ。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、以下のようなケースだ:注意すべき CKDの警告サインを1つ 発見した。
もちろん、もしあなたが負債の負担なく株を買いたいタイプの投資家なら、迷わず当社の純現金成長株リストをご覧いただきたい。
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