投資家としてリスクを考えるには、負債よりもむしろボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 つまり、賢い投資家たちは、企業のリスクを評価する際に、負債(通常倒産に関わる)が非常に重要な要素であることを知っているようだ。 他の多くの企業と同様、日立建機株式会社(TSE:6305)も、倒産した。(東証:6305)は負債を利用している。 しかし、株主はその負債の使用を心配すべきなのだろうか?
負債はいつ問題になるのか?
借入金は、事業が新たな資本またはフリー・キャッシュ・フローで返済に窮するまで、事業を支援する。 資本主義の一部とは、失敗した事業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスである。 しかし、より頻繁に起こる(しかし依然としてコストのかかる)事態は、企業がバランスシートを補強するためだけに、バーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 企業がどの程度の負債を使用するかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。
日立建機のネット有利子負債は?
日立建機の2023年12月末の有利子負債は5,893億円で、1年前の5,080億円から増加している。詳細は画像をクリック。 ただし、1,532億円の現金があり、これを相殺すると約4,361億円のネット有利子負債となる。
日立建機のバランスシートの強さは?
直近の貸借対照表を拡大すると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が7,039億円、それ以降に返済期限が到来する負債が3,014億円ある。 一方、現金は1,532億円、1年以内の債権は2,596億円。 つまり、現預金と1年以内の売掛金を合わせると5,925億円の負債があることになる。
時価総額8,992億円に対して、レバレッジの山である。 貸し手からバランスシートの補強を求められた場合、株主は深刻な希薄化に直面する可能性が高い。
企業の収益に対する有利子負債を評価するため、ネット有利子負債をEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)で割った数値と、EBIT(利払い前・税引き前利益)を支払利息で割った数値(インタレストカバー)を算出する。 このように、負債の絶対額と支払金利の両方を考慮する。
日立建機のEBITDAに対する純有利子負債の比率(1.8)は緩やかで、負債に関しては慎重であることを示している。 また、20.7倍という強力なインタレスト・カバレッジは、私たちをさらに安心させてくれる。 重要なのは、日立建機が過去12ヶ月間でEBITを32%増加させたことであり、この成長によって負債を処理しやすくなることである。 負債について貸借対照表から最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、日立建機が長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 だから、もしあなたが将来を重視するのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをチェックすることができる。
最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷徹な現金だけである。 そのため、EBITが対応するフリーキャッシュフローにつながっているかどうかを見る必要がある。 過去3年間を考えると、日立建機は全体として現金の流出を記録している。 フリー・キャッシュ・フローが不安定な企業にとって、借入金ははるかにリスクが高く、株主は過去の支出が将来フリー・キャッシュ・フローを生み出すことを期待すべきなのだ。
当社の見解
日立建機のEBITで支払利息をカバーする能力とEBIT成長率は、負債を処理できるという安心感を与えた。 しかし、EBITからフリー・キャッシュ・フローへの転換率については、正直なところ首をかしげた。 これらのデータを見る限り、我々は日立建機の負債水準に少し慎重になっている。 有利子負債には潜在的リターンの増加というプラス面もあるが、株主は負債水準が株価をよりリスキーにする可能性があることを間違いなく考慮すべきと考える。 有利子負債を分析する際、バランスシートに注目すべきなのは明らかである。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートに存在するわけではない。 例えば、 日立建機の注意すべき兆候を2つ 挙げてみた (1つは少し気になる) 。
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