Stock Analysis

戸田建設(東証:1860)は負債が多すぎる?

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TSE:1860

ハワード・マークスは、株価の変動を心配するよりも、『恒久的な損失の可能性こそ、私が心配するリスクであり、私が知っている実践的な投資家は皆、心配している』と言った。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 戸田建設(TSE:1860)が事業で負債を使っていることはわかる。 しかし本当の問題は、この負債が同社をリスキーにしているかどうかである。

負債がもたらすリスクとは?

借入金やその他の負債が企業にとってリスクとなるのは、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その負債を容易に履行できない場合である。 最終的に、企業が法的な債務返済義務を果たせなくなった場合、株主は何も手にできなくなる可能性がある。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストがかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 もちろん、成長資金を調達するために負債を利用する企業も数多くあり、そのような場合にも悪影響は生じない。 企業の負債レベルを検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。

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戸田建設の純負債とは?

下のグラフをクリックすると過去の数字が表示されるが、2024年6月時点で2,353億円の有利子負債があり、1年間で1,639億円増加している。 ただし、現金は1,038億円あるため、ネット有利子負債は1,315億円となる。

東証:1860 負債比率の推移 2024年9月11日

戸田建設のバランスシートの健全性は?

直近の貸借対照表を拡大すると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が3,015億円、それ以降に返済期限が到来する負債が2,118億円ある。 その一方で、1,038億円の現金と1,982億円の債権が12ヶ月以内に返済される。 つまり、負債が現金と(短期)債権を合計した2,113億円を上回っている。

時価総額2,937億円に対して、レバレッジの山である。 貸し手からバランスシートの補強を求められた場合、株主は深刻な希薄化に直面する可能性が高い。

企業の収益に対する有利子負債を評価するため、ネット有利子負債をEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)で割った数値と、EBIT(利払い前・税引き前利益)を支払利息で割った数値(インタレストカバー)を算出する。 この方法では、負債の絶対額と支払金利の両方を考慮する。

不思議なことに、戸田建設のEBITDAレシオは5.6と非常に高く、有利子負債が多いが、インタレスト・カバレッジは1kと高い。 つまり、非常に安価な長期借入金にアクセスできるか、支払利息が増加するかのどちらかである! また、戸田建設は昨年、EBITを22%増加させ、負債返済能力を高めている。 私たちが貸借対照表から負債について最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、戸田建設が今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 プロがどう考えているか知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。

なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 つまり、論理的なステップとしては、EBITのうち実際のフリー・キャッシュ・フローが占める割合を見ることである。 過去3年間、戸田建設は大量のキャッシュを消費した。 投資家は間違いなく、この状況がやがて逆転することを期待しているが、それは明らかに、負債の使用がよりリスキーであることを意味する。

当社の見解

戸田建設のEBITからフリー・キャッシュ・フローへの変換と純負債からEBITDAへの変換は、我々の評価では間違いなく戸田建設に重くのしかかる。 しかし、利子カバー率は全く異なることを物語っており、ある程度の回復力を示唆している。 これらの要因を考慮すると、戸田建設は借入金でリスクを取っているように思える。 負債がリターンを押し上げる可能性はあるが、現在は十分なレバレッジがあると考える。 負債水準を分析する際、バランスシートは明らかな出発点である。 しかし、すべての投資リスクが貸借対照表にあるわけではない。 例えば、戸田建設には 2つの警告サインが ある。

すべてが終わってみれば、負債を必要としない企業に注目する方が簡単な場合もある。純有利子負債ゼロの成長株リストに、読者は今すぐ100%無料でアクセスできる。