Stock Analysis

大成建設 (TSE:1801) レーダーに引っかからない

TSE:1801
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大成建設(東証:1801)の株価収益率(PER)27.8倍は、半数程度の企業がPER14倍以下、さらにはPER9倍以下もザラにある日本の市場と比較すると、今は売りが強いように見えるかもしれない。 しかし、このPERがかなり高いのには理由があるかもしれず、それが妥当かどうかを判断するにはさらなる調査が必要だ。

大成建設の業績は、他のほとんどの企業がプラス成長であるのに対し、最近は後退している。 低迷している業績が大幅に回復すると多くの人が予想しているため、PERが暴落せずに済んでいるのかもしれない。 もしそうでないなら、既存株主は株価の存続可能性に極めて神経質になっているかもしれない。

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東証:1801 株価収益率 vs 業界 2024年6月6
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成長は高PERに見合うか?

大成建設がPERを正当化するためには、市場を大きく上回る傑出した成長を遂げる必要がある。

まず振り返ってみると、昨年の一株当たり利益の伸びは11%減と期待外れで、興奮するようなものではなかった。 つまり、EPSは過去3年間で合計51%減少しており、長期的にも収益が悪化している。 従って、株主は中期的な利益成長率に暗澹たる気持ちになったことだろう。

将来に目を転じると、同社を担当する7人のアナリストの予想では、今後3年間は年率40%の増益が見込まれている。 これは、市場全体の年間成長率9.6%を大幅に上回る。

これを考慮すれば、大成建設のPERが他社を上回っているのも理解できる。 どうやら株主は、より豊かな未来を見据える可能性のあるものを手放したくないようだ。

重要なポイント

株価収益率(PER)は、特定の業界では価値を測る指標としては劣るが、強力な景況感指標になり得るという議論がある。

予想通り、大成建設のアナリスト予想を検証したところ、優れた業績見通しが高いPERに寄与していることが判明した。 現段階では、投資家はPERを引き下げるほど業績悪化の可能性を感じていない。 こうした状況に変化がない限り、株価の強力な下支えは続くだろう。

あまり水を差したくはないが、大成建設には2つの注意すべき兆候がある。

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This article has been translated from its original English version, which you can find here.