ハワード・マークスは、株価の変動を心配するよりも、『恒久的な損失の可能性こそ、私が心配するリスクであり、私が知っている実践的な投資家は皆、心配している』と言った。 事業が破綻するときには負債が絡んでくることが多いので、企業のリスクの高さを調べるときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 ニフコ(東証:7988)は事業で負債を使用していることがわかる。 しかし、この負債は株主にとって懸念材料なのだろうか?
なぜ負債がリスクをもたらすのか?
借金はビジネスの成長を助けるツールだが、もしビジネスが貸し手に返済できないのであれば、そのビジネスは貸し手の言いなりになってしまう。 事態が本当に悪化すれば、貸し手は事業をコントロールすることができる。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストはかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 企業がどの程度の負債を使用するかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。
ニフコの純負債は?
2023年12月時点の有利子負債は514億円で、前年の699億円から減少している。 ただし、貸借対照表では1,361億円の現金を保有しているため、実質的なネットキャッシュは848億円となる。
ニフコのバランスシートの強さは?
最新の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が659億円、それ以降に返済期限が到来する負債が587億円ある。 一方、現金は1,361億円、12カ月以内に返済期限が到来する債権は708億円ある。 つまり、負債総額より流動資産の方が823億円多い。
この黒字は、ニフコが安全かつ保守的な方法で負債を活用していることを示唆している。 純資産が豊富なため、借入先との間で問題が生じる可能性は低い。 簡単に言えば、ニフコが負債よりも現金の方が多いという事実は、負債を安全に管理できることを示唆していると言って間違いない。
また、ニフコは昨年、EBITを22%伸ばした。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、ニフコが今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 そこで、将来に注目するのであれば、アナリストの利益予測を示したこちらの無料レポートをご覧いただきたい。
なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 ニフコは貸借対照表上ではネットキャッシュを持っているかもしれないが、利息税引前利益(EBIT)をどれだけフリーキャッシュフローに変換しているかを見るのは興味深い。 過去3年間、ニフコはEBITの78%に相当する強力なフリー・キャッシュ・フローを生み出した。 この冷え切ったキャッシュは、ニフコが望むときに負債を減らすことができることを意味する。
まとめ
負債を懸念する投資家の意見には共感するが、ニフコには848億円のネットキャッシュがあり、負債よりも流動資産の方が多いことを念頭に置くべきである。 さらに、EBITの78%をフリー・キャッシュフローに転換し、340億円を手にしている。 では、ニフコの負債はリスクなのだろうか?我々にはそうは見えない。 負債を分析する場合、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、投資リスクのすべてがバランスシートにあるわけではない。 例えば、ニフコに投資する前に知っておくべき1つの警告サインを発見した。
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