投資家としてリスクを考えるには、負債よりもボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義語とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 三菱自動車工業(TSE:7211)がその事業において負債を使用していることはわかる。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。
借金はいつ危険なのか?
一般的に言って、負債が現実的な問題となるのは、企業が資本を調達するか、自らのキャッシュフローで簡単に返済できなくなった時だけである。 事態が本当に悪化すれば、貸し手は事業をコントロールすることができる。 このような事態はあまり一般的ではないが、負債を抱えた企業が、貸し手から窮迫した価格での増資を余儀なくされ、株主が恒久的に希薄化するケースはよく見られる。 もちろん、負債もビジネス、特に資本の重いビジネスにおいては重要な手段となりうる。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。
三菱自動車の純負債とは?
下の画像をクリックすると詳細が表示されるが、2023年12月時点の三菱自動車の有利子負債は4,501億円で、1年前の4,041億円から増加している。 しかし、それを相殺する6,390億円のキャッシュがあり、1,890億円のネットキャッシュがあることになる。
三菱自動車のバランスシートの強さは?
直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が11.8億円、それ以降に返済期限が到来する負債が2,193億円ある。 これらの債務と相殺される6,390億円の現金と12ヶ月以内に支払う3,659億円の債権がある。 つまり、負債が現金と(短期)債権の合計を3,913億円上回っている。
三菱自動車の時価総額は7,598億円である。 しかし、負債返済能力を注意深く見る価値はある。 三菱自動車は負債が多いにもかかわらず、ネットキャッシュを誇っている!
良いニュースは、三菱自動車が12ヶ月間でEBITを6.4%増加させたことであり、これは負債返済に関する懸念を和らげるはずである。 貸借対照表から負債について最もよく知ることができるのは間違いない。 しかし、三菱自動車が今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 そこで、将来に焦点を当てるのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをご覧いただきたい。
なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 三菱自動車の貸借対照表にはネットキャッシュがあるが、そのキャッシュ残高をどの程度のスピードで拡大(または減少)させているかを理解するために、金利税引前利益(EBIT)をフリーキャッシュフローに変換する能力を見てみる価値がある。 過去3年間で、三菱自動車のフリー・キャッシュフローはEBITの43%に達し、予想より少なかった。 負債を返済することを考えると、これは素晴らしいことではない。
まとめ
三菱自動車のバランスシートは、負債総額が多いため特別に強いとは言えないが、1,890億円のネットキャッシュがあることは明らかにプラスである。 その上、過去12ヶ月のEBITは6.4%増加した。 従って、三菱自動車の負債使途に問題はない。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例を挙げよう:我々は、 三菱自動車が注意すべき2つの警告サインを 発見した。
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