デービッド・アイベンは、『ボラティリティは我々が気にするリスクではない。我々が気にかけるのは、資本の永久的な損失を避けることである』。 事業が破綻するときには負債が絡むことが多いので、企業のリスクの高さを調べるときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 重要なのは、住友電気工業株式会社(東証:5802)である。(TSE:5802)は負債を抱えている。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。
なぜ負債がリスクをもたらすのか?
フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その債務を容易に履行できない場合、負債やその他の負債は企業にとってリスクとなる。 最悪のシナリオでは、債権者に支払いができなくなった場合、企業は倒産する可能性がある。 このような事態はあまり一般的ではありませんが、負債を抱えた企業が貸し手から窮迫した価格での増資を余儀なくされ、株主が恒久的に希薄化するケースはよく見られます。 しかし、希薄化の代わりに負債を活用することで、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、負債は非常に優れた手段となり得る。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。
住友電気工業の純負債は?
住友電気工業の2023年12月時点の有利子負債は8,659億円で、前年とほぼ同水準である。グラフをクリックすると詳細が見られます。 ただし、3,084億円の現金があり、これを相殺すると約5,575億円の純有利子負債となる。
住友電工のバランスシートの強さは?
直近の貸借対照表によると、住友電工の負債は12ヶ月以内に13.9億円、12ヶ月超に591.2億円となっている。 一方、現金は3,084億円、1年以内に期限の到来する債権は8,544億円。 つまり、現預金と1年以内の売掛金を合計すると8,142億円の負債があることになる。
住友電工の時価総額は17.9億円と非常に大きいので、いざとなればキャッシュを調達してバランスシートを改善できる可能性は高い。 しかし、債務返済能力を注意深く見る価値はある。
私たちは、利益に対する負債水準について知るために、主に2つの比率を用いている。ひとつは、純有利子負債を利払い・税引き・減価償却・償却前利益(EBITDA)で割ったもので、もうひとつは、利払い・税引き前利益(EBIT)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレスト・カバー)である。 このアプローチの利点は、有利子負債の絶対額(EBITDAに対する純有利子負債)と、その有利子負債に関連する実際の支払利息(インタレスト・カバレッジ・レシオ)の両方を考慮することである。
住友電工の純負債はEBITDAのわずか1.3倍である。 また、EBITDAは支払利息の12.4倍をカバーしている。 つまり、象がネズミに脅かされるのと同じように、住友電工は負債によって脅かされているわけではないのだ。 その上、住友電工のEBITは過去12ヶ月で64%増加した。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、住友電工が長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
最後に、企業は負債を返済するためにフリーキャッシュフローを必要としている。 そのため、EBITが対応するフリーキャッシュフローにつながっているかどうかを見る必要がある。 直近の3年間を見ると、住友電工のフリーキャッシュフローはEBITの29%であり、これは予想よりも低い。 負債を返済することを考えると、これはあまり良いことではない。
当社の見解
良いニュースは、住友電工のEBITで支払利息をカバーする能力が実証されたことである。 しかし、EBITからフリー・キャッシュ・フローへの転換には少々懸念がある。 これらの点を考慮すると、住友電工は現在の負債水準でも十分にやっていけると思われる。 もちろん、レバレッジは株主資本利益率(ROE)を高めるが、その分リスクも高くなる。 負債についてバランスシートから最も多くを学べることは間違いない。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 その例を挙げよう: 住友電気工業の注意すべき兆候を1つ 発見した。
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