Stock Analysis

大阪ガス(株)(東証:9532)のトンネルの先に光が見えない投資家たち

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TSE:9532

大阪ガス(株)(東証:9532)の株価収益率(PER)10.8倍は、約半数の企業がPER15倍を超え、PER22倍超もざらにある日本の市場と比較すると、今は買いのように見えるかもしれない。 しかし、PERが低いのには理由があるかもしれず、それが妥当かどうかを判断するにはさらなる調査が必要だ。

大阪ガスは最近、他の企業よりも業績を伸ばしており、確かに良い仕事をしている。 PERが低いのは、投資家がこの好調な業績が今後あまり期待できないかもしれないと考えているため、という可能性もある。 そうでないなら、既存株主は今後の株価の方向性についてかなり楽観的になる理由がある。

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東証:9532 株価収益率 vs 業界 2024年6月7日
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成長指標が語る低PERとは?

大阪ガスのような低PERが本当に安心できるのは、会社の成長が市場に遅れをとるような場合だけだ。

振り返ってみると、大阪ガスの直近1年間は133%の増益となった。 直近の3年間でも、短期的な業績も手伝って、EPSは全体で68%という素晴らしい伸びを示している。 従って、最近の収益成長は同社にとって素晴らしいものであったと言える。

将来に目を移すと、同社を担当する6人のアナリストの予測によると、今後3年間の収益成長率は毎年1.6%ずつ低下し、マイナス圏に向かうという。 市場が毎年9.6%の成長を予測する中、これは残念な結果だ。

これを考慮すれば、大阪ガスのPERが他の企業の大半を下回るのは理解できる。 しかし、収益の縮小が長期的なPERの安定につながるとは考えにくい。 見通しの甘さが株価の重荷となっているため、この株価を維持するだけでも難しいかもしれない。

大阪ガスのPERの結論

一般的に、投資判断の際に株価収益率を深読みすることは避けるべきだろう。

大阪ガスが低PERを維持しているのは、予想通り業績の下振れ見通しが弱いからだ。 今のところ、株主は将来の業績がうれしいサプライズをもたらさないであろうことを容認し、低PERを受け入れている。 こうした状況が改善されない限り、この水準が株価の壁となるだろう。

リスクについては常に考えるべきだ。その一例として、 大阪ガスの注意すべき兆候を2つ 発見した。

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