Stock Analysis

東京ガス(株) (東証:9531) 借入金でリスクを背負う

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TSE:9531

ウォーレン・バフェットは、『ボラティリティはリスクと同義ではない。 企業のリスクについて考えるとき、私たちは常にその企業の負債の使い方に注目したい。 他の多くの企業と同様、東京ガス株式会社(東証:9531)もまた、負債を抱えている(東証:9531)は負債を利用している。 しかし、この負債は株主にとって問題なのだろうか?

負債はいつ問題になるのか?

一般的に言って、負債が本当に問題になるのは、企業が増資や自己資金で簡単に返済できなくなったときだ。 資本主義の一部とは、失敗した企業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスである。 しかし、より頻繁に起こる(しかし依然としてコストのかかる)事態は、企業がバランスシートを補強するためだけに、バーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 とはいえ、最も一般的な状況は、企業が負債を合理的に管理し、自社に有利になるようにすることである。 負債水準を検討する際には、まず現金と負債水準の両方を合わせて検討する。

東京ガスの最新の分析をご覧ください。

東京ガスの負債額は?

下のグラフをクリックすると詳細が見られるが、東京ガスの2024年12月時点の有利子負債は1.30億円で、前年とほぼ同じである。 ただし、現金は3,976億円あるため、純有利子負債は9,049億円となる。

東証:9531 負債資本比率の推移 2025年3月10日

東京ガスの負債の推移

貸借対照表の最新データを拡大すると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が7,308億円、それ以降に返済期限が到来する負債が14億3,000万円あることがわかる。 これらの債務を相殺するために、同社は3,976億円の現金と4,511億円の債権を保有している。 つまり、負債総額は現金と短期債権の合計より13億2,000万円多い。

時価総額が1.70兆円という巨大な企業であるにもかかわらず、これはレバレッジの山である。 このことは、同社がバランスシートの補強を急ぐ必要がある場合、株主が大きく希薄化することを示唆している。

我々は、純有利子負債をEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)で割った数値と、EBIT(利払い前・税引き前利益)がどれだけ容易に支払利息をカバーできるか(インタレストカバー)を計算することで、企業の収益力に対する負債負担を測定している。 従って、減価償却費の有無にかかわらず、利益に対する有利子負債を考慮する。

東京ガスの有利子負債はEBITDAの2.6倍、EBITは支払利息を6.8倍カバーしている。 このことから、負債水準は大きいものの、問題があるとまでは言えない。 重要なのは、東京ガスのEBITが過去12ヶ月で63%も減少したことだ。 このまま減少が続けば、債務返済は菜食主義者の大会でフォアグラを売るよりも難しくなるだろう。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、東京ガスが今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 プロフェッショナルの意見を知りたいなら、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。

最後に、企業は負債を返済するためにフリーキャッシュフローを必要とする。 そのため、EBITがどれだけフリーキャッシュフローに裏付けられているかをチェックする価値がある。 直近の3年間で、東京ガスはEBITの60%に相当するフリー・キャッシュ・フローを記録している。 このフリー・キャッシュ・フローにより、同社は適切なタイミングで負債を返済することができる。

当社の見解

東京ガスのEBIT成長率は期待外れだったと言わざるを得ない。 しかし、少なくともEBITをフリー・キャッシュ・フローに変換する能力はかなり高い。 また、東京ガスのようなガス・ユーティリティ業界の企業は、一般的に問題なく負債を利用していることに留意する必要がある。 バランスシートを見て、これらの要素を考慮すると、負債が東京ガスの株価を少しリスキーにしていると考える。 それは必ずしも悪いことではないが、一般的にはレバレッジが低い方が安心できる。 負債を分析する際、バランスシートに注目すべきなのは明らかだ。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、東京ガスには注意すべき 2つの兆候が ある。

もしあなたが、堅固なバランスシートを持つ急成長企業に興味があるのなら、当社のネットキャッシュ成長株リストをご覧いただきたい。