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北陸電力(東証:9505)が責任ある債務管理を行える理由はここにある

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TSE:9505

ハワード・マークスは、株価の変動を心配するよりも、『恒久的な損失の可能性こそ、私が心配するリスクであり、私が知っている実践的な投資家は皆、心配している』と言った。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 北陸電力(東証:9505)は事業で負債を使用していることがわかる。 しかし、株主はその負債の使い方を心配すべきなのだろうか?

なぜ借入金はリスクをもたらすのか?

借入金は、事業が新たな資本やフリー・キャッシュ・フローで返済に窮するまで、事業を支援する。 最悪のシナリオでは、債権者への支払いができなくなった場合、企業は倒産する可能性がある。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストはかかる)事態は、企業がバランスシートを補強するためだけに、バーゲン価格で株式を発行し、株主を恒久的に希薄化させなければならない場合である。 しかし、希薄化の代わりに、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、負債は非常に優れた手段となり得る。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。

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北陸電力の純有利子負債とは?

下図をクリックすると詳細が見られるが、北陸電力の2024年12月時点の有利子負債は1.16億円で、前年とほぼ同じ。 ただし、現金は1,975億円あるため、純有利子負債は9,608億円となる。

東証:9505 有利子負債比率の推移 2025年3月19日

北陸電力の負債について

直近の貸借対照表を見ると、北陸電力の負債は1年以内に2,970億円、それ以降に11億6,000万円ある。 その一方で、1年以内に現金1,975億円、売掛金1,004億円がある。 つまり、現金と(短期)債権の合計より負債の方が1.16億円多い。

この赤字は1,973億円の同社に影を落としており、まるで巨像がそびえ立つかのようだ。 そのため、株主はこれを注意深く見守る必要があると考える。 結局のところ、北陸電力は債権者から返済を求められた場合、大規模な資本増強が必要になるだろう。

企業の収益に対する負債を評価するために、純有利子負債をEBITDA(金利・税金・減価償却費控除前利益)で割り、EBIT(金利・税金控除前利益)を支払利息(金利カバー率)で割って計算する。 従って、減価償却費の有無にかかわらず、利益に対する負債を考慮することになる。

不思議なことに、北陸電力のEBITDAレシオは5.8と非常に高く、負債が多いことを意味するが、インタレスト・カバレッジは16.4と高い。 これは、同社が非常に安価な負債を利用できない限り、支払利息が将来的に増加する可能性が高いことを意味する。 北陸電力は昨年、EBITを22%伸ばした。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、北陸電力が今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 そこで、将来に焦点を当てるのであれば、アナリストの利益予測を示したこちらの無料レポートをご覧いただきたい。

最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷厳な現金だけである。 そのため、EBITが対応するフリー・キャッシュ・フローにつながっているかどうかを見る必要がある。 過去2年間、北陸電力はEBITの91%に相当するフリーキャッシュフローを計上した。 これは、通常予想されるよりも強力なものである。

当社の見解

我々は、北陸電力のEBITDAに対する純有利子負債には感心しておらず、その負債総額は慎重なものであった。 しかし、完璧なピルエットで終わるバレリーナのように、EBITで支払利息をカバーすることに問題はない。 また、北陸電力のような電気事業は、一般的に負債を問題なく利用している。 上記のような要素を考慮すると、北陸電力の負債利用にはやや慎重な見方もできる。 有利子負債には、潜在的なリターンを高めるというプラス面もあるが、負債水準が株価をよりリスキーにする可能性があることを、株主は間違いなく考慮すべきと考える。 負債についてバランスシートから最も多くを学べることは間違いない。 しかし結局のところ、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含んでいる可能性がある。 例えば、北陸電力に投資する前に注意すべき4つの兆候を発見した。

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