株式分析

近鉄グループホールディングス (TSE:9041) のバランスシートはやや窮屈だ

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バークシャー・ハサウェイのチャーリー・マンガーが支援する外部ファンドマネージャー、リー・ルー氏は、『最大の投資リスクは価格の変動ではなく、資本の永久的な損失を被ることになるかどうかである』と言って、それを骨抜きにしない。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 近鉄グループホールディングス株式会社(東証:9041)に注目したい。(TSE:9041)のバランスシートには負債がある。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。

なぜ負債がリスクをもたらすのか?

借入金は、新たな資本やフリー・キャッシュ・フローで返済することが困難になるまで、ビジネスを支援する。 最終的に、負債返済の法的義務を果たすことができなければ、株主は何も手にすることができない。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストがかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を恒久的に希薄化させなければならない場合である。 しかし、希薄化の代わりに負債を活用することで、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、負債は非常に有効な手段となり得る。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。

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近鉄グループホールディングスの負債額は?

下記の通り、近鉄グループホールディングスの有利子負債は2024年6月時点で1.23億円となっており、前年とほぼ同水準となっている。グラフをクリックすると詳細が表示される。 ただし、2,540億円の現金があり、これを相殺すると、純有利子負債は約9,738億円となる。

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東証:9041 負債資本比率の推移 2024年9月9日

近鉄グループホールディングスのバランスシートの健全性は?

貸借対照表の最新データを拡大すると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が7,440億円、それ以降に返済期限が到来する負債が11億2,000万円ある。 一方、現金は2,540億円、12カ月以内に返済期限の到来する債権は1,872億円である。 つまり、現金と(短期)債権の合計より負債の方が1.42億円多い。

この不足額は6,578億円である同社に重くのしかかり、まるで子供が本やスポーツ用品、トランペットなどを詰め込んだ巨大なリュックサックを背負って苦労しているようなものだ。 そのため、バランスシートを注視することは間違いない。 結局のところ、近鉄グループ・ホールディングス株式会社は、今日債権者に支払わなければならないのであれば、おそらく大規模な資本増強が必要になるだろう。

私たちは、利益に対する負債水準について知るために、主に2つの比率を用いる。ひとつは純有利子負債をEBITDA(金利・税金・減価償却費控除前利益)で割ったもので、もうひとつはEBIT(金利・税金・減価償却費控除前利益)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレストカバー)である。 このように、債務の絶対額と支払金利の両方を考慮する。

近鉄グループホールディングスのEBITDAに対する純負債の比率は5.8とかなり低いが、インタレスト・カバレッジは17.1と非常に高い。 これは、同社が非常に安価な負債を利用できない限り、支払利息が将来的に増加する可能性が高いことを意味する。 近鉄グループホールディングスのEBITは過去12ヶ月で5.3%増加した。 これは驚くべきことではないが、負債を返済するという点では良いことだ。 貸借対照表から負債について最もよくわかるのは間違いない。 しかし、近鉄グループホールディングスが今後も健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 だから、もしあなたが将来を重視するのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをチェックすることができる。

最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷徹な現金だけである。 そのため、EBITがフリー・キャッシュ・フローにどれだけ裏付けられているかをチェックする価値がある。 株主にとって嬉しいことに、近鉄グループホールディングスは過去3年間、EBITを上回るフリーキャッシュフローを生み出している。 このような強力なキャッシュ創出は、バチスーツを着た子犬のように私たちの心を温めてくれる。

当社の見解

近鉄グループホールディングスの負債総額の難易度には若干の不安を感じるが、ポジティブな点もある。 例えば、金利のカバー率やEBITからフリーキャッシュフローへの転換は、負債管理能力に自信を与えてくれる。 これらの要因を考慮すると、近鉄グループホールディングスは借入金によってリスクを取っているように見える。 そのため、レバレッジは株主資本利益率を高めるが、ここからさらにレバレッジが高まることはあまり望まない。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートの中にあるわけではない。 例えば、 近鉄グループホールディングスには注意すべき2つの兆候(1つは少し気になる )が ある。

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This article has been translated from its original English version, which you can find here.

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