ハワード・マークスは、株価の変動を心配するよりも、『恒久的な損失の可能性こそ、私が心配するリスクであり、私が知っている実践的な投資家は皆、心配している』と言った。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 他の多くの企業と同様、西武ホールディングス(東証:9024)も負債を利用している。 しかし、株主はその負債の使い方を心配すべきなのだろうか?
借金はいつ危険なのか?
借入金は、新たな資本やフリー・キャッシュ・フローで返済が困難になるまで、ビジネスを支援する。 最悪の場合、債権者への支払いができなくなった企業は倒産する可能性がある。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストはかかる)事態は、企業がバランスシートを補強するためだけに、バーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 とはいえ、最も一般的な状況は、企業が負債を合理的に管理し、自社に有利になるようにすることである。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を一緒に検討することである。
西武ホールディングスの純負債は?
西武ホールディングスの純有利子負債は、2024年6月時点で7,554億円と、1年前の7,917億円から減少している。 ただし、388億円の現金があり、これを相殺すると、純有利子負債は約7,166億円となる。
西武ホールディングスのバランスシートの強さは?
直近の貸借対照表によると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が3,728億円、12カ月超に返済期限が到来する負債が8,108億円ある。 これらの債務を相殺するために、388億円の現金と12ヶ月以内に支払う287億円の債権がある。 つまり、現金と短期債権を合計すると、負債が11億2,000万円上回る。
この不足額が同社の時価総額1.01億円を上回っていることを考えると、貸借対照表を注意深く見直したくなるかもしれない。 仮に、現在の株価で増資を行い負債を返済するとすれば、極めて大きな希薄化が必要となる。
私たちは、純有利子負債をEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)で割った数値と、EBIT(利払い前・税引き前利益)がどれだけ容易に支払利息をカバーできるか(インタレスト・カバー)を計算することで、企業の収益力に対する負債負担を測定している。 従って、減価償却費の有無にかかわらず、利益に対する負債を考慮する。
西武ホールディングスのEBITDAに対する純有利子負債の比率は6.7であり、負債水準がかなり高いことを示唆しているが、8.4倍のインタレストカバーは負債が容易に返済されることを示唆している。 総合的に見ると、同社はかなり多額の負債を抱えているようだ。 西武ホールディングスのEBITが雨後の竹のように上昇し、過去12ヶ月で82%増加したことは注目に値する。これは負債を管理しやすくする。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、西武ホールディングスが今後も健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷徹な現金だけである。 そこで私たちは、EBITがフリーキャッシュフローにどれだけ変換されているかを常にチェックしている。 直近の3年間を見ると、西武ホールディングスのフリーキャッシュフローはEBITの45%であり、これは予想より弱い。 このキャッシュフローの低さが、負債を処理することを難しくしている。
当社の見解
西武ホールディングスのEBITDAに対する純有利子負債と総負債の水準は間違いなく重荷である。 しかし、EBIT成長率は全く異なるストーリーを示しており、ある程度の回復力を示唆している。 上記の要因を総合すると、西武ホールディングスの負債が事業に何らかのリスクをもたらしていると考えられる。 そのため、レバレッジは株主資本利益率を押し上げるが、今後レバレッジが高まることはあまり期待できない。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートの中にあるわけではない。 例えば、西武ホールディングスには 4つの警告サイン ( そして無視できない2つの警告サイン )がある。
もちろん、もしあなたが負債を背負わずに株を買いたいタイプの投資家なら、迷わず当社の純現金成長株リストをご覧いただきたい。
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