Stock Analysis
デービッド・アイベンは、『ボラティリティは我々が気にするリスクではない。我々が気にかけるのは、資本の永久的な損失を避けることだ』。 つまり、賢い投資家たちは、倒産につきものの負債が、企業のリスクを評価する上で非常に重要な要素であることを知っているようだ。 重要なのは、ソフトバンク株式会社(東証:9434)が負債を抱えていることだ。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。
負債がもたらすリスクとは?
一般的に言って、負債が現実的な問題となるのは、企業が資本を調達するか、自らのキャッシュフローで簡単に返済できなくなったときだけである。 資本主義の一部は、失敗した企業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスである。 このようなことはあまり一般的ではないが、負債を抱えた企業が、貸し手から窮迫した価格での増資を余儀なくされ、株主を永久に希薄化させることはよくあることだ。 もちろん、成長資金を調達するために負債を利用する企業も数多くあり、そのような企業には悪影響はない。 負債水準を検討する際には、まず現金と負債水準の両方を合わせて検討する。
ソフトバンクの負債額は?
下記の通り、2024年6月末時点のソフトバンクの有利子負債は6.64億円で、1年前の6.24億円から増加している。詳細は画像をクリック。 ただし、現金は19.1億円あるため、純有利子負債は4.74億円となる。
ソフトバンクのバランスシートの健全性は?
貸借対照表の最新データを拡大すると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が6.95百万円、それ以降に返済期限が到来する負債が4.83百万円ある。 これらの債務を相殺するために、同社は19.1億円の現金と12ヶ月以内に支払うべき25.8億円の債権を保有している。 つまり、現預金と(短期)売掛金の合計より負債の方が7.29t多い。
この赤字は時価総額が9.49兆円と非常に大きいため、株主はソフトバンクの負債使途を注視する必要がある。 貸し手からバランスシートの補強を求められた場合、株主は深刻な希薄化に直面する可能性が高い。
企業の収益に対する有利子負債を評価するために、純有利子負債÷利払い・税引き・減価償却・償却前利益(EBITDA)、および利払い・税引き・償却前利益(EBIT)÷支払利息(インタレスト・カバー)を計算する。 この手法の利点は、負債の絶対額(EBITDAに対する純負債額)と、その負債に関連する実際の支払利息(インタレスト・カバー率)の両方を考慮に入れることである。
ソフトバンクの純有利子負債はEBITDAの2.8倍であり、レバレッジは大きいが、まだ妥当な額である。 しかし、そのEBITは支払利息の約12.0倍であり、同社がそのレベルの負債を維持するために実際に高いコストを支払っていないことを示唆している。仮にこの低コストを維持できないとしても、これは良い兆候である。 ソフトバンクは昨年、EBITを22%成長させた。 債務残高を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、ソフトバンクが今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
最後に、企業は負債を返済するためにフリーキャッシュフローを必要とする。 そこで私たちは、EBITがどれだけフリーキャッシュフローに変換されているかを常にチェックしている。 直近の3年間で、ソフトバンクはEBITの68%に相当するフリー・キャッシュ・フローを記録している。フリー・キャッシュ・フローが利子と税金を除いたものであることを考えると、これは普通である。 フリー・キャッシュ・フローが利子と税金を除外していることを考えれば、この冷え切ったキャッシュは、負債を減らしたいときに減らせることを意味する。
当社の見解
良いニュースは、ソフトバンクがEBITで支払利息をカバーする能力を実証していることである。 しかし、実のところ、負債総額の水準はこの印象を少し損なうと思われる。 前述したすべての要素を総合すると、ソフトバンクは負債をかなり楽に処理できるように思われる。 もちろん、このレバレッジは株主資本に対するリターンを高めることができる反面、より多くのリスクをもたらすので、この点については注視する価値がある。 負債についてバランスシートから最も多くを学べることは間違いない。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 そのため、 ソフトバンクについて我々が発見した 2つの警告サインに 注意する必要がある。
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