Stock Analysis

武藤ホールディングス(東証:7999)の問題は、低収益にとどまらない

TSE:7999
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武藤ホールディングス株式会社(東証:7999)の最近の決算報告は、ヘッドラインの数字が冴えなかったにもかかわらず、市場はポジティブに反応した。 時には、株主は軟調な数字を無視して改善することを望むものだが、我々の分析によれば、ムトーホールディングスはその可能性が低いと思われる。

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東証:7999 2024年5月22日の業績と収益の歴史

キャッシュフローと業績の関係

財務の世界では、企業が報告された利益をどれだけフリーキャッシュフロー(FCF)に変換しているかを測定するために使用される主要な比率は、発生率(キャッシュフローから)である。 この比率は、わかりやすく言えば、純利益からFCFを差し引き、その数値をその期間の平均営業資産で割ったものである。 この比率は、企業の利益のうち、フリー・キャッシュフローに裏付けられていないものがどれだけあるかを示している。

つまり、発生主義比率がマイナスであることは、その企業が利益から想像されるよりも多くのフリーキャッシュフローをもたらしていることを示すため、良いことなのである。 発生主義比率がゼロを超えることはあまり懸念されないが、発生主義比率が比較的高い企業は注目に値すると考える。 LewellenとResutekによる2014年の論文を引用すると、「発生が高い企業は将来的に収益性が低くなる傾向がある」。

ムトーホールディングスの2024年3月期の発生率は0.22である。 したがって、同社のフリー・キャッシュ・フローは、法定利益を十分にカバーしていないと推測できる。 直近1年間のフリーキャッシュフローはマイナスで、前述の通り7,640万円の利益を計上したにもかかわらず、21億円の流出となっている。 一昨年のFCFは784百万円であったから、少なくとも過去にはFCFは黒字であった。 しかし、それだけではない。 異常項目が法定利益に影響を及ぼしており、その結果、発生率に影響を及ぼしていることがわかる。

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特別損益が利益に与える影響

前期に94百万円の特別利益計上があったことが、発生率の低さの一因であろう。 増益になるのは喜ばしいことだが、特別損益が大きく寄与することは、時にわれわれの意欲を削ぐ。 何千もの上場企業の数字を集計したところ、ある年の異常項目による増益は、翌年には繰り返されないことが多いことがわかった。 そしてそれは、これらの増益が「異例」と表現されることから予想される通りである。 もし武藤ホールディングスがこのような貢献を繰り返さないとすれば、他の条件が同じであれば、今期は減益になると予想される。

ムトーホールディングスの業績について

まとめると、武藤ホールディングスは、特殊要因による利益の押し上げ効果はあったものの、フリーキャッシュフローの面では、ペーパーベースでの利益には及ばなかった。 上記のような理由から、ムトーホールディングスの法定利益を一瞥しただけでは、基礎的なレベルでは実際よりも良く見えるかもしれないと考える。 このような観点から、リスクを十分に理解しない限り、投資を検討することはないだろう。 そのために、武藤ホールディングスに見られる3つの警告サイン(うち1つは深刻な可能性がある)を知っておく必要がある。

ムトーホールディングスを検証するにあたっては、業績が実際よりも良く見える要因に着目した。そして、それに基づいて、我々はやや懐疑的である。 しかし、企業に対する意見を伝える方法は他にもたくさんある。 株主資本利益率(ROE)の高さを優良企業の証と考える人もいる。 そこで、 高い株主資本利益率を誇る企業の 無料 コレクションや インサイダー保有率の高い銘柄のリストをご覧になってはいかがだろうか。

This article has been translated from its original English version, which you can find here.