TDK株式会社(TSE:6762)の株主は、株価が今月27%の上昇を記録し、以前の低迷から回復したことに興奮しているだろう。 さらに振り返ってみると、この1年で株価が55%も上昇しているのは心強い。
日本企業の半数近くが株価収益率(PER)14倍を下回っていることを考えると、PER26.6倍のTDKは完全に避けるべき銘柄と言えるかもしれない。 しかし、PERを額面通りに受け取るのは賢明ではない。
TDKは最近、他の企業よりも収益の伸びを抑えているため、業績が良くなっている可能性がある。 PERが高いのは、投資家がこの冴えない業績が著しく改善されると考えているからだ、という可能性もある。 そうでなければ、特別な理由もなく高い株価を支払っていることになる。
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TDKのPERを正当化するためには、市場を大きく上回る卓越した成長を実現する必要がある。
まず振り返ってみると、同社は昨年、一株当たり利益を9.1%増加させた。 これは、過去3年間のEPSが合計で57%増加した優れた時期に裏打ちされたものである。 従って、株主はこうした中期的な利益成長率を歓迎したことだろう。
見通しに目を転じると、同社をウォッチしているアナリストの推定では、今後3年間は年率20%の成長が見込まれる。 市場が毎年9.6%の成長率しか見込めない中、同社はより強い業績が期待できる。
この点を考慮すれば、TDKのPERが他社を上回っているのも理解できる。 どうやら株主は、より豊かな未来を見据える可能性のあるものを手放したくないようだ。
要点
TDKの株価は最近勢いを増し、PERを押し上げている。 株価収益率(PER)は、特定の業界では価値を測る指標としては劣るという議論もあるが、強力な景況感指標となりうる。
予想通り、TDKのアナリスト予想を調べたところ、優れた業績見通しが高PERの一因となっていることが判明した。 現段階では、投資家は収益悪化の可能性がPERを引き下げるに足るほど大きくないと感じている。 このような状況では、近い将来に株価が大きく下落することは考えにくい。
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