Stock Analysis

TDC SOFT (東証:4687)が負債を安全に利用していることを示す4つの指標

TSE:4687
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デービッド・アイベンは、『ボラティリティは我々が気にするリスクではない。我々が気にかけるのは、資本の永久的な損失を避けることだ』。 事業が破綻する際には負債が絡むことが多いため、企業のリスク度を調べる際にバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 TDCソフト株式会社(TSE:4687)のバランスシートには負債がある。 しかし、株主は負債の使用を心配すべきなのだろうか?

負債がもたらすリスクとは?

一般的に言って、負債が現実的な問題となるのは、企業が資本調達や自らのキャッシュフローで容易に返済できなくなった場合のみである。 事態が本当に悪化すれば、貸し手は事業をコントロールすることができる。 そのような事態はあまり一般的ではないが、負債を抱えた企業が、貸し手によって窮迫した価格で資金調達を余儀なくされ、株主が永久に希薄化することはよくあることだ。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 企業がどの程度の負債を使用するかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。

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TDC SOFTの負債額は?

下のグラフ(クリックすると詳細が表示される)を見ると、2024年3月時点の有利子負債は4億5,300万円で、前年とほぼ同じである。 ただし、貸借対照表では134億円の現金を保有しているため、実質的なネットキャッシュは129億円となる。

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東証:4687 2024年6月19日時点のD/Eヒストリー

東証ソフトのバランスシートはどの程度強固か?

直近の貸借対照表によると、12ヶ月以内に返済期限が到来する負債が63.8億円、12ヶ月超の返済期限が到来する負債が6.5億円ある。 その一方で、現金134億円、12ヶ月以内に期限の到来する債権66億円がある。 つまり、流動資産は負債合計より130億円多い

バランスシートの流動性に余裕があることは、保守的な負債管理を示唆している。 短期的な流動性は十分に確保されているため、融資先との間で問題が生じることはないと思われる。 簡単に言えば、TDC SOFTが負債より現金の方が多いという事実は、負債を安全に管理できるという良い兆候であることは間違いない。

また、TDC SOFTが昨年EBITを10%伸ばしたことで、負債の負担がより簡単になったことも温かく見守りたい。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、TDC SOFTが今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 そこで、将来に焦点を当てるのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをご覧いただきたい。

なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 TDC SOFTの貸借対照表にはネットキャッシュが計上されているかもしれないが、利息・税引き前利益(EBIT)をフリーキャッシュフローにどれだけ変換しているかを見るのは興味深い。 過去3年間、TDC SOFTは、EBITの60%に相当する強力なフリー・キャッシュ・フローを生み出した。 このフリー・キャッシュ・フローにより、同社は、適切な場合に負債を返済するのに適した立場にある。

まとめ

企業の有利子負債を調査することは常に賢明であるが、今回のケースでは、TDCソフトは129億円のネットキャッシュを持ち、バランスシートも良好である。 従って、TDC SOFTの負債利用がリスキーだとは思わない。 負債についてバランスシートから学ぶことが多いのは間違いない。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートの中にあるわけではない。 例えば、TDC SOFTに投資する前に注意すべき2つの兆候を発見した。

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This article has been translated from its original English version, which you can find here.