バークシャー・ハサウェイのチャーリー・マンガーが支援する外部ファンドマネージャー、リー・ルー氏は、『最大の投資リスクは価格の変動ではなく、資本が永久に失われるかどうかだ』と言っている。 つまり、賢い投資家たちは、企業の危険性を評価する際に、倒産につきものの負債が非常に重要な要素であることを知っているようだ。 野村不動産ホールディングス(東証:3231)は負債を抱えている。 しかし、この負債は株主にとって懸念材料なのだろうか?
なぜ負債がリスクをもたらすのか?
借金は企業の成長を助けるツールだが、もし企業が貸し手に返済する能力がなければ、その企業は貸し手の言いなりになってしまう。 資本主義の一部には「創造的破壊」のプロセスがあり、失敗した企業は銀行家によって容赦なく清算される。 しかし、より頻繁に起こる(しかし依然としてコストのかかる)事態は、企業がバランスシートを補強するためだけに、バーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 もちろん、負債もビジネス、特に資本の重いビジネスにおいては重要な手段である。 私たちは、企業の負債の使用について考えるとき、まず現金と負債を一緒に見ます。
野村不動産ホールディングスの負債は?
2023年12月末の有利子負債は1.20億円で、1年前の1.15億円から増加している。詳細は画像をクリック。 ただし、435億円の現金があり、これを相殺するとネット有利子負債は約11.6億円となる。
野村不動産ホールディングスの負債について
直近の貸借対照表によると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が2,756億円、12カ月以 降に返済期限が到来する負債が1.22億円となっている。 これらの債務を相殺するために、同社は435億円の現金と12ヶ月以内に弁済期が到来する666億円の債権を保有している。 つまり、負債が現金と(短期)債権の合計を1.38億円上回っている。
この赤字は6,449億円の企業に影を落としており、まるで巨像が凡人の上にそびえ立っているようだ。 そのため、バランスシートを注視することは間違いない。 結局のところ、野村不動産ホールディングスは、今日債権者に支払わなければならないのであれば、大規模な資本増強が必要になるだろう。
企業の収益に対する負債を評価するために、純有利子負債をEBITDA(金利・税金・減価償却費控除前利益)で割り、EBIT(金利・税金控除前利益)を支払利息(金利カバー率)で割って計算する。 このアプローチの利点は、有利子負債の絶対額(EBITDAに対する純有利子負債)と、その負債に関連する実際の支払利息(インタレスト・カバー率)の両方を考慮することである。
野村不動産ホールディングスのEBITDAに対する純有利子負債の比率は8.4であり、有利子負債が多いことを示唆しているが、インタレスト・カバレッジは9.1であり、有利子負債を容易に処理していることを示唆している。 総合的に判断すると、同社はかなり多額の負債を抱えている可能性が高いといえよう。 野村不動産ホールディングスが有利子負債を解消する可能性があるのは、借り入れを増やしながらも、昨年のようにEBITを約13%成長させ続ける場合であろう。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、野村不動産ホールディングスが長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来の収益性によって決まる。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
最後に、企業が負債を返済するためにはフリーキャッシュフローが必要である。 そのため、EBITがどれだけフリーキャッシュフローに裏付けられているかをチェックする価値がある。 過去3年間、野村不動産ホールディングスのフリーキャッシュフローは合計でマイナスを記録している。 通常、フリー・キャッシュ・フローがマイナスの企業では、借入金は割高になり、リスクも高くなる。株主は改善を望むべきである。
当社の見解
率直に言って、野村不動産ホールディングスのEBITDA純有利子負債比率と、負債総額に見合うだけの実績は、その負債水準にむしろ不安を抱かせる。 しかし、明るい材料としては、金利カバー率が高いことが挙げられる。 全体として、野村不動産ホールディングスのバランスシートは、事業にとってかなりリスクが高いと思われる。 つまり、腹を空かせた子猫が飼い主の釣り堀に落ちるのと同じように、私たちはこの株を警戒している。 負債を分析する場合、バランスシートに注目すべきなのは明らかだ。 しかし、投資リスクのすべてが貸借対照表にあるわけではない。 そのため、 野村不動産ホールディングスについて我々が発見した 2つの警告サイン (1つは気になる)を学ぶべきである。
もちろん、もしあなたが負債を背負わずに株を買いたいタイプの投資家なら、迷わず当社の純現金成長株リストをご覧いただきたい。
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