Stock Analysis
投資家としてリスクを考えるには、負債よりもむしろボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 他の多くの企業と同様、武田薬品工業(東証:4502)も負債を活用している。 しかし、株主は負債の利用について心配すべきなのだろうか?
負債がもたらすリスクとは?
借金は企業の成長を助けるツールだが、もし企業が貸し手に返済する能力がなければ、その企業は貸し手の言いなりになってしまう。 最悪の場合、債権者への支払いができなくなった企業は倒産する可能性がある。 しかし、より一般的な(それでも痛みを伴う)シナリオは、低い価格で新たな株式資本を調達しなければならず、その結果、株主が恒久的に希薄化することである。 もちろん、負債の利点は、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換える場合、それがしばしば安価な資本を意味することである。 私たちは、企業の負債の使用について考えるとき、まず現金と負債を一緒に見ます。
武田薬品工業の負債とは?
下の画像をクリックすると詳細が見られるが、2024年3月時点の武田薬品工業の有利子負債は4.84億円で、1年前の4.38億円から増加している。 ただし、4,578億円のキャッシュがあり、これを相殺するとネット有利子負債は約4.39億円となる。
武田薬品のバランスシートの健全性は?
最新の貸借対照表を見ると、1年以内に2.31億円、それ以降に5.52億円の負債がある。 一方、現金は4,578億円、1年以内に期限の到来する債権は6,976億円。 負債は現金と短期債権の合計より66.8億円多い。
この不足額が同社の時価総額6.65億円を上回ることを考えれば、貸借対照表をじっくりと見直したくなるのも無理はない。 同社がバランスシートを早急に一掃しなければならないシナリオでは、株主は大規模な希薄化に見舞われることになりそうだ。
企業の収益に対する負債を評価するために、純有利子負債をEBITDA(利払い・税引き・減価償却・償却前利益)で割り、EBIT(利払い・税引き前利益)を支払利息(インタレスト・カバー)で割って計算する。 したがって、減価償却費の有無にかかわらず、利益に対する負債を考慮することになる。
武田薬品工業のEBITDAに対する純有利子負債の比率が4.0倍であることを心配することはないが、2.2倍という超低金利カバーは高レバレッジの兆候であると考える。 その理由の大部分は、同社の多額の減価償却費と償却費であり、EBITDAが非常に寛大な収益指標であることを意味する。 そのため、株主は最近、支払利息が事業に大きな影響を与えていることを認識すべきだろう。 さらに悪いことに、武田薬品のEBITは昨年1年間で41%減少している。 もし収益がこのような軌跡をたどるのであれば、負債を返済するのは、雨の中でマラソンをするよう私たちを説得するよりも難しいだろう。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、武田薬品工業が今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷厳な現金だけである。 したがって、EBITが対応するフリー・キャッシュ・フローにつながっているかどうかを見る必要がある。 過去3年間、武田薬品工業はEBITの96%に相当するフリーキャッシュフローを記録しており、これは通常予想されるよりも強力である。 これは、通常予想されるよりも強力なものである。
当社の見解
率直に言って、武田薬品工業の金利カバー率とEBITの(成長しない)実績の両方が、その負債水準にむしろ不安を抱かせる。 しかし、EBITからフリー・キャッシュ・フローへの転換は良い兆候であり、楽観的である。 全体として、武田薬品は十分な負債を抱えており、バランスシートには現実的なリスクがあると言える。 すべてがうまくいけば、リターンを押し上げるはずだが、その反面、負債によって永久的な資本損失のリスクが高まる。 負債を分析する際、バランスシートに注目すべきなのは明らかだ。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、 武田薬品工業の注意すべき4つの兆候(2つは重大 )を挙げてみた。
もしあなたが、堅固なバランスシートを持つ急成長企業に興味があるのなら、当社のネットキャッシュ成長株リストをご覧いただきたい。
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Takeda Pharmaceutical
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