ウォーレン・バフェットは、『ボラティリティはリスクと同義ではない。 事業が破綻するときには負債が絡むことが多いのだから、企業のリスク度を調べるときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 大阪製鐵株式会社(東証:5449)を見てみよう。(大阪製鐵株式会社(東証:5449)は、事業において負債を使用している。 しかし、この負債は株主にとって懸念材料なのだろうか?
借金はいつ危険なのか?
借金はビジネスを成長させるためのツールだが、もしビジネスが貸し手に返済できないのであれば、そのビジネスは貸し手の言いなりになってしまう。 最悪の場合、債権者への支払いができなくなった企業は倒産する可能性がある。 そのようなケースはあまり多くはないが、負債を抱えた企業が、貸し手から苦しい価格での資本調達を強いられ、株主を恒久的に希薄化させるケースはよく見られる。 もちろん、成長資金を調達するために負債を利用する企業も数多くあり、そのような企業には悪影響はない。 企業がどの程度の負債を使用しているかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。
大阪製鐵の負債額
下の図をクリックすると過去の数字が表示されるが、2024年6月時点の大阪製鐵の有利子負債は146億円で、1年前の314億円から減少している。 しかし、貸借対照表には379億円の現金があり、実際には233億円のネットキャッシュがある。
大阪製鐵のバランスシートの強さは?
直近の貸借対照表によると、大阪製鐵の12ヶ月以内の支払期日は435億円、12ヶ月超の支払期日は51.8億円となっている。 一方、現金は379億円、1年以内に期限の到来する債権は423億円。 流動資産は負債を316億円上回っている。
この黒字は、大阪製鐵が安全かつ保守的な方法で負債を活用していることを示唆している。 短期流動性は十分に確保されており、融資先との間に問題はないと思われる。 簡単に言えば、大阪製鐵の現金が負債を上回っているという事実は、大阪製鐵が負債を安全に管理できることを示すものである。
しかしその一方で、大阪製鐵のEBITは昨年1年間で6.0%減少した。 このペースで収益が減少し続ければ、同社は負債を管理するのがますます難しくなる可能性がある。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、大阪製鐵が負債を返済するためには収益が必要であるため、負債を単独で見ることはできない。 そのため、負債を検討する際には、収益動向を見る価値があることは間違いない。インタラクティブなスナップショットはこちら。
なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 大阪製鐵の貸借対照表にはネットキャッシュが計上されているかもしれないが、金利・税引前利益(EBIT)をフリーキャッシュフローにどれだけ変換しているかを見るのは興味深い。 過去3年間、大阪製鐵のフリー・キャッシュ・フローは大幅なマイナスとなった。 投資家は間違いなく、やがてこの状況が逆転することを期待しているに違いないが、これは明らかに、同社が負債を使用することがよりリスキーであることを意味する。
まとめ
有利子負債を問題視する投資家の意見には共感するが、大阪製鐵には233億円のネットキャッシュがあり、流動資産も負債を上回っていることを念頭に置くべきである。 だから、大阪製鐵の負債使途に問題はない。 負債についてバランスシートから学ぶことが多いのは間違いない。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートの中にあるわけではない。 例えば、大阪製鐵には 1つの警告サインが ある。
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