ハワード・マークスは、株価の変動を心配するよりも、『恒久的な損失の可能性こそ、私が心配するリスクであり、私が知っている実践的な投資家は皆、心配している』と言った。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 旭有機材(TSE:4216)のバランスシートには負債がある。 しかし、株主はその負債の使い方を心配すべきなのだろうか?
負債はいつ危険なのか?
有利子負債やその他の負債が企業にとって危険となるのは、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その債務を容易に履行できない場合である。 最終的に、企業が法的な債務返済義務を果たせない場合、株主は何も手にすることができなくなる。 このようなケースはあまり多くないが、負債を抱えた企業が、貸し手から苦しい価格での増資を余儀なくされ、株主が恒久的に希薄化するケースはよく見られる。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 企業がどの程度の負債を使用するかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。
旭有機材が抱える負債額は?
2023年12月末現在、旭有機材は42.0億円の負債を抱えており、1年前の32.6億円から増加している。詳細は画像をクリック。 一方、現金は161億円あり、ネット・キャッシュは119億円ある。
旭有機材負債の推移
直近の貸借対照表によると、12ヶ月以内に返済期限が到来する負債が233億円、 12ヶ月超に返済期限が到来する負債が52.7億円ある。 一方、現金は161億円、1年以内に回収予定の債権は252億円。 つまり、負債総額より流動資産の方が127億円多い。
この黒字は、旭有機材が保守的なバランスシートを持っていることを示唆している。 簡潔に言えば、旭有機材はネット・キャッシュを誇り、負債が多いとは言えないということだ!
それに加えて、旭有機材はEBITを56%増加させ、将来の負債返済の可能性を減らしている。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、旭有機材が今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 プロフェッショナルの意見を知りたいなら、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷厳な現金だけである。 旭有機材は貸借対照表にネットキャッシュを計上 しているが、そのキャッシュ残高をどの程度のスピードで増やし ているか(あるいは減らしているか)を理解するために、EBIT (金利・税引前利益)をフリーキャッシュフローに変換する能力 を見てみる価値はある。 直近の3年間を見ると、旭有機材が記録したフリー・キャッシュ・フローはEBITの24%で、これは予想より弱い。 このような現金収支の悪化は、負債を処理することをより困難にする。
まとめ
企業の有利子負債を調査することは常に賢明であるが、今回のケースでは、旭有機材は119億円のネットキャッシュを持ち、バランスシートも良好である。 また、昨年度のEBIT成長率は56%であった。 では、旭有機材の負債はリスクなのだろうか?我々にはそうは思えない。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし結局のところ、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、私たちは 旭有機材に注意すべき兆候を1つ 発見した。
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