投資家としてリスクを考えるには、負債よりもボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義語とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 事業が破綻するときには負債が絡むことが多いのだから、企業のリスクの高さを調べるときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 重要なのは、アイカ工業株式会社(東証:4206)が負債を抱えていることだ。 しかし、この負債は株主にとって懸念事項なのだろうか?
負債が危険な場合とは?
借金は企業の成長を助けるツールだが、もし企業が貸し手に返済する能力がなければ、その企業は貸し手の言いなりになってしまう。 最終的に、会社が法的な債務返済義務を果たせなければ、株主は何も手にすることができない。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストがかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 負債水準を検討する際には、まず現金と負債水準の両方を合わせて検討する。
アイカ工業の負債額は?
下記の通り、2024年3月時点でアイカ工業は285億円の負債を抱えている。グラフをクリックすると詳細を見ることができる。 しかし、貸借対照表には620億円の現金があり、実際には335億円のネット・キャッシュがある。
アイカ工業のバランスシートの強さは?
直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が628億円、それ以降に返済期限が到来する負債が354億円ある。 一方、現金は620億円、12カ月以内に返済期限が到来する債権は713億円ある。 つまり、負債総額より流動資産の方が351億円多い。
この過剰流動性は、アイカ工業が負債に対して慎重なアプローチを取っていることを示唆している。 資産に余裕があるため、借入先とトラブルになる可能性は低い。 簡単に言えば、アイカ工業が負債よりも現金の方が多いという事実は、負債を安全に管理できることを示唆していると言って間違いない。
もう一つの良い兆候は、アイカ工業カンパニーが12ヶ月間でEBITを23%増加させることができ、負債の返済を容易にしていることである。 負債についてバランスシートから最も多くを学べることは間違いない。 しかし、アイカ工業が長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 だから、もしあなたが将来を重視するなら、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをチェックすることができる。
最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷徹な現金だけである。 アイカ工業の貸借対照表にはネット・キャッシュが計上されているが、そのキャッシュ・バランスの構築(または減少)の速さを理解するために、金利税引前利益(EBIT)をフリー・キャッシュ・フローに変換する能力を見てみる価値がある。 過去3年間、アイカ工業はEBITの53%に相当するフリーキャッシュフローを生み出した。 この冷え切ったキャッシュは、負債を減らしたいときに減らせることを意味する。
まとめ
企業の負債を調査するのは常に賢明なことだが、今回のケースでは、アイカ工業は335億円のネットキャッシュを持ち、バランスシートも良好だ。 また、昨年のEBITは前年比23%増と高い伸びを示した。 では、アイカ工業の負債はリスクなのだろうか?我々にはそうは見えない。 株主にとってもう一つのプラスは、配当金を支払っていることだ。配当金を受け取るのが好きな方は、アイカ工業の配当履歴をチェックしよう!
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