株式分析

三井化学 (東証:4183) 借入金でリスクを負う

TSE:4183
Source: Shutterstock

投資家としてリスクを考えるには、負債よりもむしろボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 つまり、賢い投資家は、企業のリスクを評価する際、負債(通常は倒産に関与する)が非常に重要な要素であることを知っているようだ。 三井化学株式会社(東証:4183)は、事業において負債を使用していることがわかる。 しかし、株主はその負債の使用を心配すべきなのだろうか?

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負債はいつ問題になるのか?

フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その債務を容易に履行できない場合、負債やその他の負債はビジネスにとってリスキーになる。 最悪のシナリオでは、債権者への支払いができなくなった場合、企業は倒産する可能性がある。 しかし、より一般的な(しかし、まだ高価な)状況は、企業が単に負債を制御するために安い株価で株主を希釈化しなければならない場合です。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 私たちは、企業の負債の使用について考えるとき、まず現金と負債を一緒に見ます。

三井化学の純負債とは?

下のグラフをクリックすると詳細が見られるが、2025年3月時点の三井化学の有利子負債は7,380億円で、前年とほぼ同じである。 一方、現金は1,706億円あり、純有利子負債は約5,674億円となる。

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東証:4183 2025年6月26日の有利子負債残高の推移

三井化学のバランスシートの健全性は?

最新の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が6,038億円、それ以降に返済期限が到来する負債が5,796億円ある。 これらの債務と相殺される1,706億円の現金と12ヶ月以内に期限が到来する3,495億円の債権がある。 負債は現金と短期債権の合計を6,633億円上回る。

この赤字は同社の時価総額6,199億円を上回るため、株主は子供が初めて自転車に乗るのを見守る親のように、三井化学の負債水準を注視する必要があると思われる。 同社が早急にバランスシートを一掃しなければならなくなった場合、株主は大幅な希薄化を被る可能性が高いと思われる。

三井化学の最新分析を見る

企業の収益に対する負債を評価するために、純負債をEBITDA(利払い・税引き・減価償却・償却前利益)で割り、EBIT(利払い・税引き前利益)を支払利息(インタレストカバー)で割って計算する。 この手法の利点は、有利子負債の絶対額(EBITDAに対する純有利子負債)と、その有利子負債に関連する実際の支払利息(インタレスト・カバー率)の両方を考慮することである。

三井化学のEBITDAに対する純有利子負債は3.4であり、負債額はかなり目立つ。 しかし、9.9という高いインタレスト・カバレッジは、その負債を容易に返済できることを示唆している。 株主は、三井化学のEBITが昨年23%減少したことに留意すべきである。 この収益傾向が続けば、負債を返済するのはジェットコースターで猫を群れにするのと同じくらい簡単だろう。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、三井化学が今後も健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 そこで、将来に焦点を当てるのであれば、アナリストの利益予測を示したこちらの無料レポートをご覧いただきたい。

なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 つまり、EBITがフリー・キャッシュフローにどれだけ裏付けられているかをチェックする価値がある。 過去3年間で、三井化学が生み出したフリー・キャッシュフローはEBITの14%に過ぎない。 この低水準の現金収支は、負債を管理・返済する能力を弱体化させる。

当社の見解

三井化学がEBITを(成長させることなく)達成しようとしていることを考えると、我々は確かに熱心ではない。 しかし、良い面もある。金利のカバー率は良い兆候であり、我々を楽観的にさせてくれる。 我々は、三井化学のバランスシートの健全性を考慮した結果、三井化学は本当にかなりリスキーだと考えている。 つまり、腹を空かせた子猫が飼い主の釣り堀に落ちるのと同じくらい、この銘柄を警戒しているのだ。 債務残高を分析する場合、バランスシートを見るのは当然である。 しかし結局のところ、どの企業も貸借対照表の外側に存在するリスクを内包している可能性がある。 こうしたリスクを見つけるのは難しい。どの企業にもリスクは存在するが、 三井化学は2つの警告サインを 発見した。

それでもなお、堅固なバランスシートを持つ急成長企業に興味があるのなら、当社の純現金成長株リストをご覧いただきたい。

評価は複雑だが、我々はそれを単純化するためにここにいる。

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This article has been translated from its original English version, which you can find here.

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