田岡化学工業(TSE:4113)の株価は、すでに好調に推移しているにもかかわらず、直近30日間で27%の上昇と、力強い動きを見せている。 この30日間で、年間上昇率は46%に達した。
株価は急騰しているが、田岡化学工業のPER(株価収益率)12.5倍は、日本のPER(株価純資産倍率)の中央値も14倍近いため、無関心と思われても仕方がない。 しかし、PERに合理的な根拠がない場合、投資家は明確な機会や潜在的な後退を見落としている可能性がある。
最近の田岡化学工業の業績は、他社を上回るペースで上昇しており、有利な状況にある。 この好業績に陰りが見えると予想する向きが多いため、PERの上昇が抑えられているのかもしれない。 そうでないなら、既存株主は株価の先行きを楽観視する理由がある。
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田岡化学工業のPERは、緩やかな成長しか期待できず、重要なのは市場並みの業績しか期待できない企業にとって典型的なものだろう。
昨年度の収益成長率を振り返ってみると、同社は482%という驚異的な伸びを記録した。 しかし、直近3年間のEPSは合計で56%減少しており、これでは不十分だ。 従って、株主は中期的な利益成長率に暗澹たる気持ちになったことだろう。
将来に目を転じると、同社を担当する唯一のアナリストの予想では、今後3年間は年率10%の増益が見込まれている。 一方、他の市場の予測は年率9.3%であり、大きな差はない。
これを考慮すれば、田岡化学工業のPERが他の大多数の企業と同水準にあるのも理解できる。 どうやら株主は、同社が低姿勢を保っている間、ただ持ち続けることに安心感を抱いているようだ。
要点
田岡化学工業は、堅調な株価上昇でPERを他の多くの企業と同じ水準に戻し、人気を取り戻しつつあるようだ。 一般的に、投資判断の際に株価収益率を読み過ぎないよう注意したい。
予想通り、田岡化学工業のアナリスト予想を調べたところ、市場にマッチした業績見通しが現在のPERに寄与していることが分かった。 今のところ、株主は将来の業績にサプライズはないと確信しているため、このPERに納得している。 このような状況では、近い将来、株価がどちらかの方向に大きく動くとは考えにくい。
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