株式分析

東レ(東証:3402)は負債が多すぎるのか?

チャーリー・マンガーが支援した)伝説的なファンドマネジャーの李璐はかつて、『最大の投資リスクは価格の変動ではなく、資本が永久に失われるかどうかだ』と言った。 だから、ある銘柄のリスクがどの程度かを考えるとき、負債を考慮する必要があるのは明らかかもしれない。 重要なことは、東レ株式会社(東証:3402)は負債を抱えているということだ。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。

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借金はいつ危険か?

負債やその他の負債は、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その負債を容易に履行できない場合に、ビジネスにとって危険となる。 資本主義の一部には、失敗した事業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスがある。 このようなことはあまり一般的ではないが、負債を抱えた企業が、貸し手から窮迫した価格での増資を余儀なくされ、株主を恒久的に希薄化させることはよくあることだ。 もちろん、負債も企業、特に資本の重い企業にとっては重要な手段である。 負債水準を検討する際には、まず現金と負債の両方の水準を合わせて検討する。

東レの負債額は?

2025年6月時点の有利子負債は8,607億円で、前年の9,296億円から減少した。 ただし、現金は2,286億円あるため、純有利子負債は6,321億円となる。

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東証:3402 負債比率の推移 2025年9月11日

東レの負債の推移

直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が8,779億円、それ以降に返済期限が到来する負債が6,317億円ある。 これらの債務と相殺される現金は2,286億円、12ヶ月以内に支払う債権は5,714億円である。 つまり、現金と短期債権を合わせると7,096億円の負債がある。

東レの時価総額は1.49兆円と巨額であるため、増資によってバランスシートを強化することは可能だろう。 しかし、借入金を返済していく能力については注視する価値がある。

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私たちは、利益に対する負債水準について知るために、主に2つの比率を用いている。ひとつは純有利子負債をEBITDA(利払い・税引き・減価償却・償却前利益)で割ったもので、もうひとつはEBIT(利払い・税引き前利益)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレスト・カバー)である。 このアプローチの利点は、有利子負債の絶対額(EBITDAに対する純有利子負債)と、その有利子負債に関連する実際の支払利息(インタレスト・カバレッジ・レシオ)の両方を考慮することである。

東レのEBITDA純有利子負債比率(2.4)は、負債に関しては慎重であることを示している。 また、EBITが支払利息の14.4倍と圧倒的であることから、負債の負担は孔雀の羽のように軽い。 東レは、EBITを昨年比10%増のペースで成長させ続けることができれば、有利子負債を管理しやすくなる。 負債水準を分析する場合、バランスシートが出発点になるのは明らかだ。 しかし、東レが長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来的な収益性によって決まる。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートをご覧ください。

なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 つまり、EBITがフリーキャッシュフローにどれだけ裏付けられているかをチェックする価値がある。 過去3年間、東レはEBITの55%に相当する強力なフリー・キャッシュ・フローを生み出してきた。 この冷え切ったキャッシュは、負債を減らしたいときに減らせることを意味する。

当社の見解

我々の分析では、東レの金利カバーは、同社が負債でそれほど困らないことを示すものである。 しかし、上記で指摘した他の要因はそれほど心強いものではない。 例えば、負債総額の水準は、その負債について少し神経質にさせる。 上記のすべての要素を考慮すると、東レは負債をうまく管理していると思われる。 しかし、注意すべき点がある。負債水準は、継続的なモニタリングを正当化するのに十分なほど高いと思われる。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、東レには注意すべき 兆候が1つ ある。

結局のところ、純有利子負債のない企業に注目した方が良い場合が多い。そのような企業の特別リスト(すべて利益成長の実績あり)にアクセスできます。無料です。

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This article has been translated from its original English version, which you can find here.

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