株式分析

キッコーマン(東証:2801)は負債をむしろ控えめに使っているようだ

TSE:2801
Source: Shutterstock

投資家としてリスクを考えるには、負債よりもむしろボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 キッコーマン株式会社(東証:2801)の貸借対照表には負債がある。 しかし、株主は負債の使い方を心配すべきなのだろうか?

負債はいつ問題になるのか?

負債は、事業が新たな資本やフリー・キャッシュ・フローで返済に窮するまで、事業を支援する。 資本主義の一部には、失敗した事業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスがある。 それはあまり一般的ではないが、負債を抱えた企業が、貸し手から窮迫した価格での増資を余儀なくされ、株主を永久に希薄化させることはよくあることだ。 しかし、希薄化に取って代わることで、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、負債は非常に優れた手段となり得る。 負債水準を検討する際には、まず現金と負債水準の両方を合わせて検討する。

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キッコーマンの負債とは?

下の画像をクリックすると詳細が表示されるが、2024年3月時点のキッコーマンの負債は182億円で、1年後の175億円から増加している。 一方、現金は1,508億円あり、ネットキャッシュは1,326億円ある。

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東証:2801 負債資本比率の推移 2024年7月11日

キッコーマンの負債について

直近の貸借対照表によると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が951億円、 12カ月超に返済期限が到来する負債が746億円となっている。 一方、現金は1,508億円、12カ月以内に支払期限の到来する債権は838億円ある。 つまり、流動資産は負債を650億円上回っている。

この黒字は、キッコーマンが保守的なバランスシートを持っていることを示唆している。 簡単に言えば、キッコーマンが負債より現金の方が多いということは、負債を安全に管理できることを示唆していると言って間違いない。

もう一つの良い兆候は、キッコーマンが12ヶ月間でEBITを20%増加させることができ、負債の返済をより容易にしていることである。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、キッコーマンが長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来の収益性によって決まる。 そこで、将来に焦点を当てるのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをご覧いただきたい。

なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 キッコーマンの貸借対照表にはネットキャッシュが計上されているかもしれないが、金利・税引前利益(EBIT)をフリーキャッシュフローにどれだけ変換しているかを見るのは興味深い。 直近の3年間で、キッコーマンはEBITの65%に相当するフリー・キャッシュ・フローを記録した。フリー・キャッシュ・フローが利子と税金を除いたものであることを考えると、これは通常の水準である。 この冷徹なキャッシュは、負債を減らしたいときに減らせることを意味する。

まとめ

負債を懸念する投資家に共感する一方で、キッコーマンには1,326億円のネット・キャッシュがあり、負債よりも流動資産の方が多いことを念頭に置くべきである。 また、昨年のEBITが前年比20%増となったことも評価できる。 では、キッコーマンの負債はリスクなのだろうか?我々にはそうは見えない。 長期的には、株価は一株当たり利益に追随する傾向があるので、キッコーマンに興味がある方は、ここをクリックして一株当たり利益の履歴をインタラクティブなグラフで確認するとよいだろう。

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This article has been translated from its original English version, which you can find here.