デービッド・アイベンは、『ボラティリティは我々が気にするリスクではない。我々が気にかけるのは、資本の永久的な損失を避けることである』。 負債が多すぎると企業は沈没してしまうからだ。 不二製油ホールディングス(東証:2607) が事業で負債を使っていることはわかる。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。
なぜ借入金はリスクをもたらすのか?
借金はビジネスを成長させるためのツールだが、もしビジネスが貸し手に返済できないのであれば、そのビジネスは貸し手の言いなりになってしまう。 事態が本当に悪化すれば、貸し手は事業をコントロールすることができる。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストはかかる)事態は、企業がバランスシートを補強するためだけに、バーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 しかし、希薄化の代わりに、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、借入金は非常に優れた手段となり得る。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。
不二製油ホールディングスの負債額は?
2023年12月時点の有利子負債は1,564億円で、前年の1,855億円から減少している。 ただし、手元資金が272億円あるため、純有利子負債は1,291億円と少ない。
不二製油ホールディングスのバランスシートの健全性は?
直近の貸借対照表を拡大すると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が1,347億円、それ以降に返済期限が到来する負債が1,148億円ある。 一方、現金は272億円、1年以内に回収予定の債権は968億円ある。 つまり、現金と(短期)債権の合計より負債の方が1,254億円多い。
時価総額は2,116億円であり、増資によってバランスシートを強化することは可能だろう。 しかし、負債が過大なリスクをもたらしている兆候には注意したい。
私たちは、純有利子負債をEBITDA(利払い・税引き・減価償却・償却前利益)で割り、EBIT(利払い・税引き・償却前利益)がどれだけ容易に支払利息をカバーできるか(インタレスト・カバー)を計算することで、企業の収益力に対する負債負担を測定する。 この手法の利点は、有利子負債の絶対額(EBITDA に対する純有利子負債)と、有利子負債に関連する実際の支払利息(インタレスト・カバレッジ・レシオ)の両方を考慮することである。
富士石油ホールディングスの有利子負債はEBITDAの3.1倍、EBITは支払利息を6.1倍カバーしている。 このことから、負債水準は大きいものの、問題があるとまでは言えないだろう。 不二製油ホールディングスは昨年、EBITを27%伸ばした。 貸借対照表から負債について最もよくわかるのは間違いない。 しかし、不二製油ホールディングスが今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 プロがどう考えているか知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 つまり、EBITがフリーキャッシュフローにどれだけ裏付けられているかをチェックする価値がある。 過去3年間、不二製油ホールディングスは大量の現金を消費した。 投資家は間違いなく、この状況がやがて逆転することを期待しているが、それは明らかに、負債の使用がよりリスキーであることを意味する。
当社の見解
不二製油ホールディングスのEBITをフリー・キャッシュ・フローに変換するのに苦労していることから、そのバランスシートの強さには二の足を踏んでいた。 例えば、EBIT成長率は爽快である。 上記の要因を総合すると、不二製油ホールディングスの負債が事業にいくつかのリスクをもたらしていると考えられる。 有利子負債がリターンを押し上げる可能性はあるが、現在、同社には十分なレバレッジがあると考える。 負債水準を分析する場合、バランスシートが出発点となるのは明らかだ。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 そのため、 不二製油ホールディングスについて我々が発見した 3つの警告サイン に注意すべきである。
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評価は複雑だが、我々はそれを単純化するためにここにいる。
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This article has been translated from its original English version, which you can find here.