Stock Analysis
投資家としてリスクを考えるには、負債よりもむしろボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 つまり、賢い投資家たちは、企業のリスクを評価する場合、負債(通常は倒産に関与する)が非常に重要な要素であることを知っているようだ。 カルビー株式会社(東証:2229)は、事業において負債を使用していることがわかる。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。
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借金はいつ問題になるのか?
借金は、事業が新たな資本やフリー・キャッシュ・フローで返済に窮するまで、事業を支援する。 資本主義の一部とは、失敗した事業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスである。 しかし、より一般的な(しかし依然としてコストのかかる)状況は、単に負債をコントロールするために、企業が安い株価で株主を希薄化しなければならない場合である。 もちろん、負債もビジネス、特に資本の重いビジネスにおいては重要な手段となりうる。 企業の負債レベルを検討する際の最初のステップは、現金と負債を一緒に検討することである。
カルビーの負債とは?
下記の通り、2024年12月末の有利子負債は449億円で、1年前の293億円から増加している。詳細は画像をクリック。 ただし、現金は362億円あるため、純有利子負債は87.9億円となる。
カルビーの負債について
直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が539億円、それ以 降に返済期限が到来する負債が471億円ある。 これらの債務と相殺される現金は362億円、12ヶ月以内に弁済期が到来する債権は599億円である。 つまり、現金と短期債権を合計すると49億8000万円の負債がある。
カルビーの規模を考慮すると、流動資産と負債のバランスはとれているといえよう。 3,642億円の同社が資金繰りに苦しんでいるとは考えにくいが、バランスシートを注視する価値はあると思われる。
私たちは、純有利子負債をEBITDA(金利・税金・減価償却費・償却前利益)で割った値と、EBIT(金利・税金・償却前利益)がどれだけ容易に支払利息をカバーできるか(インタレストカバー)を計算することによって、企業の収益力に対する負債負担を測定する。 従って、減価償却費の有無にかかわらず、利益に対する負債を考慮する。
カルビーの純負債はEBITDAのわずか0.21倍で、汗をかくことなくレバレッジを拡大できることを示唆している。 しかし、本当にクールなのは、昨年1年間で、実際に支払った利息よりも多くの利息を受け取ることができたということだ。 つまり、腕利きの鉄板焼きシェフが料理をこなすように、同社は負債を処理できると言っていい。 幸いなことに、カルビーは昨年、EBITを3.8%成長させた。 私たちが貸借対照表から負債について最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、カルビーが今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 プロがどう考えているか知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷厳な現金だけである。 そこで論理的なステップは、実際のフリー・キャッシュ・フローに見合うEBITの割合を見ることである。 過去3年間、カルビーのフリーキャッシュフローは合計でマイナスだった。 フリー・キャッシュ・フローが信頼できない企業にとって、借金ははるかにリスクが高いので、株主は過去の支出が将来フリー・キャッシュ・フローを生み出すことを期待すべきである。
当社の見解
カルビーがEBITで支払利息を賄う能力も、EBITDAに対する純負債も、負債を処理できるという安心感を与えてくれた。 しかし、EBITからフリー・キャッシュ・フローへの転換については、正直なところ、釘を刺すような思いがした。 このようなさまざまなデータを考慮すると、カルビーは負債レベルを管理するのに適した立場にあると思われる。 しかし、注意すべき点がある。負債水準は、継続的な監視を正当化するのに十分なほど高いと思われる。 負債水準を分析する場合、バランスシートが出発点となるのは明らかだ。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、我々は カルビーが注意すべき1つの警告サインを 特定した。
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