バークシャー・ハサウェイのチャーリー・マンガーが支援する外部ファンドマネージャー、リー・ルー氏は、『最大の投資リスクは価格の変動ではなく、資本の永久的な損失を被ることになるかどうかだ』と言って、それを骨抜きにしない。 負債過多は破滅につながる可能性があるからだ。 森永&Co.(森永製菓株式会社(東証:2201)は、事業において負債を使用している。 しかし、この負債は株主にとって懸念材料なのだろうか?
なぜ負債がリスクをもたらすのか?
一般的に言って、負債が現実の問題となるのは、企業が資本を調達するか、自らのキャッシュフローで返済することが容易でなくなった場合のみである。 資本主義の一部とは、失敗した企業が銀行家によって容赦なく清算される「創造的破壊」のプロセスである。 しかし、より頻繁に起こる(しかし依然としてコストのかかる)事態は、企業がバランスシートを補強するためだけに、バーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 もちろん、負債もビジネス、特に資本の重いビジネスにおいては重要な手段となりうる。 企業の負債レベルを検討する際の最初のステップは、現金と負債を一緒に検討することである。
森永製菓の負債額は?
以下の通り、2024年6月時点で森永製菓の有利子負債は190億円で、前年とほぼ同じ水準である。グラフをクリックすると詳細を見ることができる。 ただし、貸借対照表では357億円の現金を保有しているため、実質的なネットキャッシュは167億円となる。
森永製菓の負債の状況
直近の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が558億円、それ以 降に返済期限が到来する負債が276億円ある。 一方、現金は357億円、1年以内に回収予定の債権は336億円。 負債は現金と短期債権の合計より141億円多い。
森永製菓の時価総額が2,526億円であることから、これらの負債が大きな脅威になるとは考えにくい。 しかし、十分な負債があることは確かであり、株主は今後もバランスシートを注視することをお勧めする。 負債が多いとはいえ、森永製菓はネットキャッシュを保有しており、負債が多いとは言えない!
また、森永&Coは昨年、EBITを30%伸ばした。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、森永&Coが今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 プロがどう考えているか知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷厳な現金だけである。 森永製菓の貸借対照表にはネット・キャッシュが計上されているが、その現金残高がどの程度のスピードで増加(または減少)しているかを理解するために、同社のEBIT(金利・税引前利益)をフリー・キャッシュ・フローに変換する能力を見てみる価値はある。 直近の3年間を見ると、森永製菓のフリー・キャッシュフローはEBITの29%で、これは予想より弱い。 このような現金収支の悪化は、負債を処理することを難しくする。
まとめ
企業の負債総額を見ることは常に賢明であるが、森永&Coのネットキャッシュが167億円あることは非常に心強い。 また、昨年度のEBITが前年比30%増となったことも好感が持てる。 従って、森永&Coの負債利用がリスキーだとは思わない。 株価は一株当たり利益に連動する傾向があるので、森永製菓に興味のある方は、ここをクリックして一株当たり利益の履歴をインタラクティブなグラフで確認するとよいだろう。
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