Stock Analysis

グルメ杵屋(東証:9850)は危険な投資か?

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TSE:9850

バークシャー・ハサウェイのチャーリー・マンガーが支援する外部ファンド・マネージャー、リー・ルー氏は、『最大の投資リスクは価格の変動ではなく、資本が永久に失われるかどうかだ』と言って、それを骨抜きにしない。 事業が破綻するときには負債が絡んでくることが多いのだから、企業のリスクの高さを検討するときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 株式会社グルメ杵屋(東証:9850)の貸借対照表を見てみよう。(株式会社グルメ杵屋(東証:9850)は、その事業において負債を使用している。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。

借金はいつ危険なのか?

借金はビジネスを成長させるためのツールだが、もしビジネスが貸し手に返済できないのであれば、そのビジネスは貸し手の言いなりになってしまう。 最終的に、会社が法的な債務返済義務を果たせなければ、株主は何も手にすることなく立ち去ることになりかねない。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストがかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 もちろん、負債の利点は、それがしばしば安価な資本を意味することであり、特に企業の希薄化を高い収益率で再投資する能力に置き換えた場合である。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。

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Gourmet KineyaLtdの負債額は?

以下の通り、2024年3月時点の有利子負債は206億円で、前年の234億円から減少している。 ただし、手元資金が123億円あるため、純有利子負債は82.7億円と少ない。

東証:9850 負債比率の推移 2024年8月6日

グルメ杵屋のバランスシートの強さは?

直近の貸借対照表によると、12カ月以内に返済期限が到来する負債が82億2,000万円、 12カ月超に返済期限が到来する負債が206億円ある。 これらの債務を相殺するために、同社は123億円の現金と25億1,000万円の売掛債権を保有している。 つまり、負債が現金と(短期)売掛金の合計を140億円上回っている。

時価総額231億円に対して、レバレッジの山である。 貸し手からバランスシートの補強を要求された場合、株主は深刻な希薄化に直面する可能性が高い。

私たちは、純有利子負債をEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)で割った値と、EBIT(利払い前・税引き前利益)が支払利息をどれだけカバーしやすいか(インタレスト・カバー)を計算することによって、企業の収益力に対する負債負担を測定している。 この方法では、債務の絶対額と支払金利の両方を考慮する。

グルメ杵屋の負債はEBITDAの5.0倍で、EBITは支払利息を3.4倍カバーしている。 これは、負債水準が大きいことを示唆しているが、問題があるとまでは言えないだろう。 しかし、「グルメ杵屋」の直近1年間のEBITが4億2,200万円の黒字となり、前年の赤字から改善したことは明るい材料である。 負債水準を分析する場合、バランスシートから始めるのは当然である。 しかし、バランスシートが将来どのように持ちこたえるかを左右するのは、グルメ杵屋の収益である。 そのため、同社の収益についてもっと知りたければ、長期的な収益推移のグラフをチェックする価値があるかもしれない。

最後に、企業が負債を返済できるのは、会計上の利益ではなく、冷徹な現金のみである。 そのため、金利・税引前利益(EBIT)が実際のフリー・キャッシュ・フローにどれだけ変換されるかをチェックすることが重要である。 昨年度、グルメ杵屋のフリー・キャッシュ・フローはEBITの33%で、予想より少なかった。 このキャッシュフローの低さが、負債を処理することを難しくしている。

当社の見解

グルメ杵屋のEBITDAに基づく負債管理の試みについては、確かに熱心ではない。 とはいえ、EBITを成長させる能力はそれほど心配する必要はない。 バランスシートを見て、これらの要素を考慮すると、負債がグルメ杵屋の株を少しリスキーにしていると考える。 それは必ずしも悪いことではないが、一般的にはレバレッジが低い方が安心できる。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートにあるわけではなく、むしろそうではない。 例えば、グルメ杵屋には 2つの警告サイン そして無視できない1つ )がある。

もちろん、もしあなたが負債を背負わずに株を買いたいタイプの投資家なら、迷わず当社の純現金成長株リストをご覧いただきたい。