Stock Analysis

セブン&アイ・ホールディングス (東証:3382) 借入金を賢く使っているようだ

Published
TSE:3382

ハワード・マークスは、株価のボラティリティを心配するよりも、『恒久的な損失の可能性こそ、私が心配するリスクである......そして、私が知っている実践的な投資家は皆心配している』と言った。 つまり、ある銘柄のリスクの高さを考える際に、負債を考慮する必要があるのは明らかかもしれない。 セブン&アイ・ホールディングス(東証:3382)は、負債が多い。(株式会社セブン&アイ・ホールディングス(東証:3382)は、事業において負債を使用している。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。

負債はいつ問題になるのか?

借入金やその他の負債は、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その債務を容易に履行できない場合に、ビジネスにとってリスクとなる。 事態が本当に悪化すれば、貸し手は事業をコントロールすることができる。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストはかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を恒久的に希薄化させなければならない場合である。 しかし、希薄化の代わりに、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、負債は非常に優れた手段となり得る。 負債水準を検討する際には、まず現金と負債水準の両方を合わせて検討する。

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セブン&アイ・ホールディングスの純有利子負債は?

セブン&アイ・ホールディングスの有利子負債は2024年2月時点で2.78億円と、前年の3.09億円から減少している。 ただし、現金は1.56億円あるため、純有利子負債は1.22億円となる。

東証:3382 負債資本比率の推移 2024年6月18日

セブン&アイ・ホールディングスの負債の推移

直近の貸借対照表を拡大すると、1年以内に返済期限が到来する負債が30.7億 円、それ以降に返済期限が到来する負債が36.2億円ある。 一方、現金は15.6億円、1年以内に回収予定の債権は5,533億円。 負債は現金と短期債権の合計より45.8億円多い。

この赤字額は時価総額5.18兆円に対してかなり大きいため、株主はセブン&アイ・ホールディングスの負債使途を注視する必要がある。 貸し手からバランスシートの補強を求められた場合、株主は深刻な希薄化に直面する可能性が高い。

私たちは、純有利子負債をEBITDA(金利・税金・減価償却費・償却前利益)で割った数値と、EBIT(金利・税金・償却前利益)がどれだけ容易に支払利息をカバーできるか(インタレスト・カバー)を計算することで、企業の収益力に対する負債負担を測定している。 従って、減価償却費の有無にかかわらず、利益に対する負債を考慮する。

セブン&アイ・ホールディングスのEBITDAに対する純負債の比率はわずか1.2と低い。 また、EBITは18.2倍であり、支払利息を容易にカバーしている。 つまり、象がネズミに脅かされるのと同じように、セブン&アイ・ホールディングスは負債に脅かされているわけではないのだ。 良いニュースは、セブン&アイ・ホールディングスが12ヶ月間でEBITを5.5%増加させたことで、債務返済に関する懸念が和らぐはずだ。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、セブン&アイ・ホールディングスが今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 そこで、将来に注目するのであれば、アナリストの利益予測を示したこちらの無料レポートをご覧いただきたい。

なぜなら、企業は紙の利益では負債を支払えないからだ。 そこで私たちは、EBITがフリー・キャッシュフローにどれだけ変換されているかを常にチェックしている。 過去3年間、セブン&アイ・ホールディングスは、EBITの73%に相当する強力なフリー・キャッシュ・フローを生み出した。 このフリー・キャッシュ・フローにより、同社は適切なタイミングで負債を返済することができる。

当社の見解

セブン&アイ・ホールディングスの支払利息をEBITでカバーする能力と、EBITをフリー・キャッシュ・フローに変換する能力の両方が、同社が負債を処理できるという安心感を我々に与えた。 一方、負債総額の多さについては、やや安心できない。 上記のすべての要素を考慮すると、セブン&アイ・ホールディングスは負債をうまく管理していると思われる。 しかし、注意しなければならないのは、負債水準が十分高いため、継続的な監視が必要だということだ。 負債についてバランスシートから最も多くを学ぶことは間違いない。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートの中にあるわけではない。 例を挙げよう: セブン&アイ・ホールディングスには、2つの警告サインが ある。

もちろん、もしあなたが負債を背負わずに株を買いたいタイプの投資家なら、迷わず当社の純現金成長株リストをご覧いただきたい。