チャーリー・マンガーが支援した)伝説のファンドマネージャー、リー・ルーがかつて『最大の投資リスクは価格の変動ではなく、資本が永久に失われるかどうかだ』と言った。 つまり、賢明な投資家たちは、企業の危険性を評価する際に、負債(通常は倒産に関与する)が非常に重要な要素であることを知っているようだ。 他の多くの企業と同様、オイシックス・ラ・大地(東証:3182)も負債を利用している。 しかし、より重要な問題は、その負債がどれほどのリスクを生み出しているかということだ。
負債がもたらすリスクとは?
有利子負債やその他の負債が企業にとってリスクとなるのは、フリーキャッシュフローや魅力的な価格での資本調達によって、その負債を容易に履行できない場合である。 最終的に、企業が法的な債務返済義務を果たせなくなった場合、株主は何も手にできなくなる可能性がある。 しかし、より頻繁に発生する(それでもコストがかかる)のは、バランスシートを補強するためだけに、企業がバーゲン価格で株式を発行し、株主を永久に希薄化させなければならない場合である。 しかし、希薄化の代わりに負債を活用することで、高い収益率で成長に投資するための資金を必要とする企業にとって、負債は非常に優れた手段となり得る。 企業がどの程度の負債を使用するかを検討する際に最初に行うべきことは、現金と負債を合わせて見ることである。
オイシックス・ラ・大地の負債は?
オイシックス・ラ・大地は2024年9月現在、399億円の有利子負債を抱えている。 ただし、236億円の現預金があり、これを相殺すると、純有利子負債は約162億円となる。
オイシックス・ラ・大地のバランスシートは健全か?
直近の貸借対照表によると、オイシックス・ラ・大地は1年以内に返済期限が到来 する負債が513億円、1年超に返済期限が到来する負債が507億円となっている。 一方、現金236億円、12ヶ月以内に弁済期が到来する債権268億円がある。 つまり、現金と短期債権を合計すると515億円の負債がある。
この赤字額は同社の時価総額471億円を上回るため、株主は子供が初めて自転車に乗るのを見守る親のように、オイシックス・ラ・大地<6758>の負債額を注視する必要があると思われる。 仮に、現在の株価で増資による負債返済を余儀なくされた場合、極めて大きな希薄化が必要となる。
我々は、利益に対する負債水準について知るために、主に2つの比率を用いる。ひとつは、純有利子負債を利払い・税引き・減価償却・償却前利益(EBITDA)で割ったもので、もうひとつは、利払い・税引き・償却前利益(EBIT)が支払利息を何倍カバーしているか(略してインタレスト・カバー)である。 このように、債務の絶対額と支払金利の両方を考慮する。
オイシックス・ラ・大地は、EBITDAのわずか1.4倍の純負債を抱えている。 そしてこの見方は、昨年1年間のEBITDAが支払利息の9.7倍という、強固なインタレスト・カバレッジによって裏付けられている。 その上、オイシックス・ラ・大地は過去12ヶ月間でEBITを71%伸ばしており、この成長によって負債を処理しやすくなるだろう。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、オイシックス・ラ・大地が今後健全なバランスシートを維持できるかどうかを決めるのは、何よりも将来の収益である。 プロフェッショナルの意見を知りたい方は、アナリストの利益予測に関する無料レポートが面白いかもしれない。
最後に、企業は負債を返済するためにフリーキャッシュフローを必要としている。 そのため、EBITがどれだけフリーキャッシュフローに裏付けられているかをチェックする価値がある。 過去3年間で、オイシックス・ラ・大地が得たフリー・キャッシュフローはEBITの41%で、予想より少なかった。 このキャッシュ・コンバージョンの低さは、負債の処理を難しくしている。
当社の見解
我々の分析では、オイシックス・ラ・大地はEBITの成長率が高く、負債にそれほど困らないと思われる。 しかし、上記で指摘した他の要因はそれほど心強いものではない。 特に、負債総額の水準には冷や冷やさせられる。 これらのデータを見る限り、オイシックス・ラ・大地は負債水準にやや慎重である。 有利子負債には、潜在的なリターンを高めるというプラス面もあるが、負債水準が株価をよりリスキーにする可能性があることを、株主は間違いなく考慮すべきと考える。 負債を分析する際、バランスシートに注目すべきなのは明らかだ。 しかし最終的には、どの企業もバランスシートの外に存在するリスクを含みうる。 例えば、オイシックス・ラ・大地には 4つの警告サイン ( うち3つは重大)が ある。
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This article has been translated from its original English version, which you can find here.