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伊藤忠食品(東証:2692)の印象的な収益は、すべてを物語っていないかもしれない

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TSE:2692

好業績を発表したにもかかわらず、伊藤忠食品(東証:2692)の株価は低迷している。 調査したところ、懸念される根本的な問題が見つかった。

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東証:2692の業績と収益の歴史 2024年11月7日

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キャッシュフローから発生主義という言葉を聞いたことがない投資家も多いだろう。 発生比率は、ある期間の利益からFCFを差し引き、その結果をその期間の企業の平均営業資産で割る。 この比率は、企業の利益がFCFをどれだけ上回っているかを示している。

従って、発生比率がマイナスの会社は良い会社で、プラスの会社は悪い会社ということになる。 しかし、発生主義的な比率がむしろ高い場合には注意が必要である。 というのも、いくつかの学術研究では、発生比率が高いと利益が減少する、あるいは利益が伸び悩む傾向があることが示唆されているからだ。

2024年9月までの12ヵ月間で、伊藤忠食品の発生率は0.38を記録した。 統計的に言えば、これは将来の収益にとって実質的なマイナスである。 つまり、その間に同社はフリー・キャッシュフローを1円も生み出していない。 82億2,000万円の利益を計上したとはいえ、フリーキャッシュフローを見ると、昨年1年間で120億円を消費していることがわかる。 一昨年の伊藤忠商事のFCFは110億円の黒字だったので、少なくとも過去には黒字を出した実績がある。 伊藤忠商事の株主にとってプラスとなるのは、発生率が昨年大幅に改善したことであり、将来的にキャッシュ・コンバージョンが改善する可能性がある。 株主は、今期の利益に対するキャッシュフローの改善を期待すべきであろう。

注:投資家は常にバランスシートの強さをチェックすることを推奨する。ここをクリックすると、伊藤忠食品のバランスシート分析がご覧いただけます

伊藤忠商事の利益について

前述の通り、伊藤忠商事の業績はフリーキャッシュフローに支えられておらず、投資家によっては懸念されるかもしれない。 その結果、伊藤忠食品の基礎的収益力は法定利益を下回っている可能性が高いと考える。 しかし、過去 3 年間の EPS 成長率が非常に高いことは朗報である。 もちろん、同社の業績を分析するとなると、まだ表面しか見ていない。マージン、予想成長率、投資利益率なども考慮する必要があるだろう。 このような観点から、同社の分析をさらに深めたいのであれば、そのリスクを知っておくことが肝要である。 例えば-伊藤忠食品には、注意すべきと思われる警告サインが1つある。

本日は、伊藤忠食品の利益の本質をより理解するために、1つのデータにズームインしてみた。 しかし、些細なことに意識を集中させることができる人であれば、発見できることは常にある。 例えば、自己資本利益率が高いことを好景気の証拠と考える人も多いし、インサイダーが買っている銘柄を探す「フォロー・ザ・マネー」が好きな人もいる。 少し調べる手間がかかるかもしれないが、 自己資本利益率が高い企業の 無料 コレクションや インサイダーの保有が多い銘柄のリストが役に立つかもしれない。