投資家としてリスクを考えるには、負債よりもボラティリティが一番だと言う人もいるが、ウォーレン・バフェットは『ボラティリティはリスクと同義語とは程遠い』と言ったのは有名な話だ。 事業が破綻するときには負債が絡むことが多いのだから、企業のリスクの高さを調べるときにバランスシートを考慮するのは当然のことだ。 積水ハウス株式会社(東証1部1928)に注目したい。(積水ハウス株式会社(東証:1928)の貸借対照表には負債がある。 しかし、株主は負債の使用を心配すべきなのだろうか?
負債はいつ危険なのか?
負債は、事業が新たな資本やフリー・キャッシュ・フローで返済に窮するまで、事業を支援する。 最悪のシナリオでは、債権者への支払いができなくなった場合、企業は倒産する可能性がある。 このような事態はあまり一般的ではありませんが、負債を抱えた企業が、貸し手から窮迫した価格での資本調達を余儀なくされ、株主を恒久的に希薄化させるケースはよく見られます。 もちろん、負債もビジネス、特に資本の重いビジネスにおいては重要な手段となりうる。 企業の負債水準を検討する際の最初のステップは、現金と負債を合わせて検討することである。
積水ハウスの純負債は?
下のグラフをクリックすると過去の数字が表示されるが、2024年4月時点で積水ハウスの有利子負債は1.75兆円で、1年間で6,544億円増加している。 ただし、手元資金が4,003億円あるため、純有利子負債は1.35億円程度と少ない。
積水ハウスの負債の状況
最新の貸借対照表を見ると、1年以内に返済期限が到来する負債が19.6億円、それ以 降に返済期限が到来する負債が6,647億円となっている。 一方、現金4,003億円、1年以内に回収期限の到来する債権1,721億円がある。 つまり、負債が現預金と(短期)債権の合計を20億5,000万円上回っている。
この赤字は、時価総額2.27兆円という非常に大きな規模に比してかなり大きいため、株主は積水ハウスの負債使途を注視する必要がある。 このことは、同社がバランスシートの補強を急ぐ必要がある場合、株主が大きく希薄化することを示唆している。
企業の収益に対する有利子負債を評価するために、純有利子負債をEBITDA(利払い前・税引き前・減価償却前利益)で割った数値と、EBIT(利払い前・税引き前利益)を支払利息で割った数値(インタレストカバー)を算出する。 この手法の利点は、有利子負債の絶対額(EBITDA に対する純有利子負債)と、有利子負債に関連する実際の支払利息(インタレスト・カバレッジ・レシオ)の両方を考慮することである。
積水ハウスの純有利子負債はEBITDAの4.3倍であり、レバレッジは大きいが、まだ妥当な額である。 しかし、インタレスト・カバレッジは30.7倍と非常に高く、負債にかかる支払利息が現状ではかなり低いことを示唆している。 また、積水ハウスは昨年、EBITDAを25%増加させ、負債返済能力を高めている。 負債を分析する際、バランスシートが重視されるのは明らかだ。 しかし、積水ハウスが長期的にバランスシートを強化できるかどうかは、最終的には事業の将来の収益性によって決まる。 そこで、もしあなたが将来に注目しているのであれば、アナリストの利益予測を示したこの無料レポートをチェックすることができる。
最後に、税務署は会計上の利益を喜ぶかもしれないが、金融機関は現金しか認めない。 そのため、EBITがフリー・キャッシュ・フローにどれだけ裏付けられているかをチェックする価値がある。 過去3年間を考慮すると、積水ハウスは全体としてキャッシュ・アウトを記録している。 フリー・キャッシュ・フローが信頼できない企業にとって、借入金ははるかにリスクが高いので、株主は過去の支出が将来フリー・キャッシュ・フローを生み出すことを期待すべきである。
当社の見解
積水ハウスのEBITからフリーキャッシュフローへの転換の難しさには若干の不安を感じるが、ポジティブな点もある。 金利カバー率、EBIT成長率ともに良好である。 上記の要因を総合すると、我々は積水ハウスの負債が事業にいくつかのリスクをもたらすと考えている。 負債がリターンを押し上げる可能性はあるが、現在、同社には十分なレバレッジがあると考える。 負債を分析する際、バランスシートに注目すべきなのは明らかだ。 しかし、すべての投資リスクがバランスシートにあるわけではない。 例えば、積水ハウスには 2つの警告サイン ( 1つは潜在的に深刻 )がある。
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