Stock Analysis

川崎重工業(東証:7012)の株価27%急落をまだ懸念しない理由

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TSE:7012

川崎重工業(川崎重工業(TSE:7012)の株主は、株価が27%下落し、前期の好業績を帳消しにするような非常に荒い月となったことを喜ばないだろう。 しかし大局的に見れば、この1ヶ月の不調の後でも、株価は昨年1年間で25%上昇している。

川崎重工の株価は大幅に下落したが、株価収益率(PER)31.3倍は、PER14倍以下の企業が約半数、PER9倍以下の企業さえよくある日本の市場と比べると、今はまだ売り優勢に見えるかもしれない。 とはいえ、この高いPERに合理的な根拠があるかどうかを判断するには、もう少し掘り下げる必要があるだろう。

川崎重工業は最近、業績が悪化しており、平均してある程度成長している他社と比べても見劣りする。 可能性として考えられるのは、投資家がこの業績不振が好転すると考えているためにPERが高いということだ。 もしそうでないなら、既存株主は株価の存続可能性に極度に神経質になっているかもしれない。

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東証:7012 株価収益率 vs 業界 2024年8月2日
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成長は高PERに見合うか?

川崎重工業のようにPERが急騰しているのを見ても本当に安心できるのは、会社の成長が市場を明らかに上回る軌道に乗っている時だけだ。

昨年度の決算を振り返ってみると、川崎重工の利益は52%も減少している。 少なくともEPSは、それ以前の成長期のおかげで、全体として3年前と完全に逆戻りすることはなかった。 従って、不安定な中期的成長率に株主が過度に満足することはなかっただろう。

現在、同社をフォローしている12人のアナリストによれば、今後3年間のEPSは年率60%上昇すると予想されている。 これは、市場全体の年率9.6%の成長予測を大幅に上回る。

これを考慮すれば、川崎重工業のPERが他社を上回っているのも理解できる。 投資家の多くは、川崎重工の将来の高い成長を期待し、株価を高く買おうとしているようだ。

川崎重工業のPERの結論

川崎重工業の株価は後退したかもしれないが、PERはまだ高い。 一般的に、投資判断の際に株価収益率を深読みしないよう注意したい。

予想通り、川崎重工業のアナリスト予想を調べたところ、優れた業績見通しが高PERの一因となっていることが分かった。 現在の株主は、将来の収益が脅かされることはないと確信しているため、このPERに納得している。 このような状況では、近い将来株価が大きく下落することは考えにくい。

また、川崎重工業に4つの警戒すべき兆候(2つは無視できない!)を見つけたことも注目に値する。

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